マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

事業承継された若い経営者の苦悩

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第112号] 事業承継された若い経営者の苦悩 

2021年10月20日 配信
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の112】

『トップは稼ぐトップたれ 』

極論仲良しこよしの経営では社長も従業員も稼ぐことに目を向けなくなり、会社は衰退していく。やりがい・楽しさに目を向けていた社員達も、それなりの給料さえもらえなくなってようやく気付くだろうがそれでは遅いのだ。

社員に経済界に身を置くという自覚を持たせるまでには相当の時間と苦労がある。
だが伸びる企業になりたければ避けて通れぬ道であり、そこにまず求められるのは社長の姿勢であろう。前を見て、外に目を向け、上を目指して頂きたい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昭和、平成と活躍された社長が後進に道を譲られた会社を拝見する機会が最近増えております。万端の準備をした上で引継ぎを受けた新社長もいらっしゃれば、前社長が急逝されて急遽新社長となられた方もいらっしゃいます。
会社の財務状態も含め、会社ごとに事業承継の状況は全く異なります。我々が外から見て事業承継がうまくいっていると感じる会社がある一方で、そう感じられない会社もございます。

生産性を上げなければ給料は上がらない

私は、事業承継がうまくいっているかどうかは「新社長が社員から信頼されているかどうか」と言い換えることができるように感じております。

では何をもって新社長が社員から信頼を受けるかどうかですが、詰まるところ「給料を社員に支払えているかどうか」ではないでしょうか。もう少し言えば「業界平均より少し多めの給料を払うことができ、社員や社員の家族も含め安心して暮らしていけるような状態を創れているかどうか」のように感じます。
つまり、社員にとって社長というのは、「この人についていけば、食いっぱぐれる心配がない人」ということになるのかもしれません。

強調して「給料、給料」と書いてしまったので、「世の中、金のためだけに働いているのではないだろう」というご批判もあるかもしれません。
たしかにそのご意見はごもっともです。しかしマエサワ税理士法人が社長の経営に対する提案をさせて頂くことを考えれば、優先順位のトップは「いかに稼ぐか」ということになります。つまり経済合理性のある行動が第一になります。

「やりがいのある仕事」や「自分のしたい仕事」に運良く就けたとして、給料が人より少なくても我慢できるのでしょうか。もちろん好きな仕事をしているのだから我慢できる人もいると思います。しかし大抵の人は少しでも多くの給料をもらって、より経済的にも良い暮らしをしたい、と考える人が多いように思いますし、経済社会においてはその考え方のほうが健全であるようにも感じます。

ワークライフバランスという言葉に代表されるように、昭和の時代の仕事人間のような働き方ではなく、「人生、仕事だけではないよ。プライベートの時間も大事にしましょう」と言われるようになってきました。それはそれでよいのかもしれません。ただしワークライフバランスをよいバランスにするためには、ワークの部分の質を今まで以上に上げていかなければなりません。生産性を上げなければ給料が上がることはないからです。いかに顧客に価値ある商品を提供し、価値ある価格で売ることができるかの勝負です。

社長はナンバーワンの営業マンであれ

少し話がそれてしまいましたが、社長が社員から「この人についていけば食いっぱぐれない」と思われるには、少なくとも会社の中で一番の存在でなければなりません。何が一番なのか。働く時間でしょうか。給料でしょうか。社員に対する思いやりなのでしょうか。これらの要素はどれも必要には思えますが、やはり重要なことは社内で一番の売上を取ってくることのように私は感じます。社長は社内におけるトップセールスマンでなければなりません。

社長が外でたくさんお客さんを取ってくるから、社員は安心して社長の下で働けるのだと思います。それが社員にとってもやりがいのある仕事であればなお素晴らしいことです。
一方で、社員の中には「責任を負うような働き方はしたくない」「給料はそれなりであってもしっかり休みが取れてプライベートを充実させたい」という方もいます。

いずれにしても仕事の対価として給料を支払っている以上、社員には仕事にかかわる時間については100%顧客に満足して頂くだけの仕事をするよう注力してもらわなければなりません。

マエサワ税理士法人で言えば、税務会計はもちろんですが、やはり儲けのところ=経営のところで社長の皆様に対していかに役に立つ話ができるかどうか、が肝になってきます。

1億円の利益について経営相談を受けているときに50万、100万損した得したの話をしても仕方ありません。個別具体的な問題に対して具体的な提案を出せる会計事務所、職員でなければなりません。それができて初めて、顧問税理士として経営も含めたところでお役に立てた、ということになろうかと思います。

前社長から引き継がれた新社長は懸命に社長としての仕事をされております。ただ儲かっている社長とそうでない社長の違いは、社長の顔が外を向いているか、内を向いているかというところです。

世代交代の際には少なからずさざ波は立ってしまうものです。さざ波でも真正面から受け止めようとすればかなりの圧力を感じるものですが、それをいなすこともできるのではないでしょうか。新社長も不安なように社員も将来に対して不安を抱いています。

それを解消するには一にも二にも新社長が売上を立てることです。売上を立て儲けを作ることができれば、社員は間違いなく安心します。やはり内向きでは内部の争いにばかり目が行きがちになり、またそれに巻き込まれてしまい、そのせいで本業が悪い方へ向かいかねません。外向きの仕事、つまりは売上で社内一の業績を上げることが一番です。

私自身も皆様ご存じのとおり、二代目経営者になります。まだまだ若輩者ですので、経営の諸先輩方には叱咤激励を頂きながらも、事業承継された社長とは悩みを共有しながら、経営をよい方向へもっていけるようにパートナーとしての役割を果たしてまいりますので、どうぞ引き続き宜しくお願い致します。