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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第4号] 『自己資本重視の経営』
2017年8月30日 配信
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こんにちは、前沢税理士事務所
専務の前沢寿博です。
明日で8月も終わりを迎え、朝夕の風にはほんのり秋の気配を感じるようにもなってきました。
夏の暑さにも負けない体力づくりを!ということで、マラソンやジム通いを始めたお客様もいらっしゃり、毎月お邪魔する度に「早起きして頑張ってるよ~!」とおっしゃっています。是非今度は寒い冬に向けて続けて頂きたいです。私も見習わなければ・・・
さて、これを企業に置き換えて考えますと、外部環境要因に負けない企業の体力づくりを!となりますね。
季節変動や不況の波にも負けないしっかりとした足場固めをするには、儲けを出した先に会社にお金を残し、自己資本を充実させていくことが大事となります。
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◆◆マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の4◆◆
『自己資本重視の経営』
我が国では長らくメインバンクから融資を受けて会社を経営していく手法がとられてきた。
しかし以前と比較して圧倒的に儲けづらくなった現在の経営者にとって、メインバンクからの融資は期待できず、自らの儲けの蓄積である自己資本で資金繰りを回していかなければならなくなった。
自社の自己資本比率を高めていく、つまりは日々の経営努力の蓄積たる「儲け」を貯めていくことが必要になっている。
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会社の儲けの蓄積、それが自己資本
自己資本とは、貸借対照表の右側に位置する「純資産の部」のことを指します。また、自己資本が会社の資産全体のどれ位を占めているのか?を示すのが、自己資本比率(自己資本額(=純資産額)÷総資産額)です。
他人資本(=借入金)は将来返済が必要なものですが、自己資本は誰にも返済する必要がありません。自己資本は、日々の経営によって得られた、設立から今日までの儲けの蓄積であり、自己資本こそが企業の安定した資金源泉と言えます。
本日は、その自己資本がなぜ重要なのか?にスポットを当てていきます。
今現在、皆様の会社の自己資本比率はどれ位でしょうか?是非、毎月の試算表にある貸借対照表を思い出しつつ、お読みください。
移り変わった融資への姿勢
長らく、日本の会社の多くの経営が、設備資金はもとより運転資金についても、金融機関からの融資を前提としてきました。それを可能としてきたのは、日本の高度成長期→またその次の安定成長期、という右肩上がりの経済環境でした。多くの会社は、きちんと経営をしていれば利益が出る土壌にあり、金融機関も安心して融資した資金を回収できるという状況があったのです。
しかしそれから長い年月が経ち、現状の日本経済は残念ながら超低成長となりました。もはや会社を経営すれば儲けが出る、それが当たり前の時代は終わってしまいました。
そうなると金融機関が会社を見る目も厳しくなります。
債務超過の会社は言うに及ばず、二期連続赤字の企業に対しても、融資が実行されにくい状況となっています。これは多くの経営者の方々も実感されていることではないかと思います。
今、儲けが出ている会社しか融資は受けられない
今は超低金利時代ですから、会社の成長のために必要な融資は受けられるに越したことはありません。
融資を受けるためにもっとも雄弁な説得材料となるもの、それは「儲け」です。儲けが順調に出せており、融資の必要がない顧問先様に限って、「融資を受けられませんか?」という金融機関からの営業を受けています。
「お金が足りないから融資を受けるのではないか」と言われる経営者もいらっしゃいます。しかし金融機関もボランティアで融資をしているわけではありません。彼らは回収可能性をシビアに判定しながら、ビジネスとして貸付を行っているのです。
では、実際にどの程度の自己資本があれば、安定して融資を受けられるのでしょうか。一般的には「自己資本比率=30%」程度は欲しいところです。
会社の総資産額の30%程度を自己資本で賄える状況となってきます。おそらく会社が何も言わずとも、金融機関の方から融資をお願いされるようになります。
最近では経営計画を策定して金融機関に提出すると融資を受けられるというケースも出てきました。ただし実績として計画上の利益の80%を出せなければ、厳しい追及は免れないでしょう。
自己資本経営の本質とは何か?
例えば、資本金も純資産を構成するので、増資をすれば自己資本は増加し、自己資本比率は増加します。しかしこれでは社長自身が自分の貯蓄を会社に入れただけなので、これで自己資本比率30%になったとしても、経営としては意味がありません。
やはり自己資本が「儲けの蓄積」である以上、「儲かる」ことに徹底的にこだわる。その積み重ねで自己資本を厚くすることこそが王道 です。
節税も重要ですが、必要以上の節税はまかり間違えると無駄遣いにもなります。儲けには税金が課されますが、税金を払った残りが儲けとして自己資本に蓄積されます。真に会社にお金を残したいのであれば、払うものは払い、しっかり儲けを溜めるといった覚悟も必要でしょう。
オリンピックまであと3年ですが、オリンピックが終わると同時に、日本経済は大きく落ち込むことが予想されます。だからこそ、まず第一に「儲け」に大いにこだわり自己資本比率を少しでも大きくしていきたいものです。
先程の融資の話で言えば、実際に自己資本比率が30%を超えてくれば、実は、融資を受けずともキャッシュフローは回るようになってくるはずです。
だったら融資を受けなくていい、という話になってきますが、まさにその通りなのです。これから先は、金融機関から「是非、融資をさせてください」と言われる会社であり続けることが、増々の厳しい資本主義社会で生き残る必須条件かもしれません。
今回も長文にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。