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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第20号] 30%のレベルアップ
2018年04月11日 配信
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こんにちは、マエサワ税理士法人専務理事の前沢寿博です。
2020年の東京オリンピックまであと2年を切りました。
開催決定の当時より報道も落ち着いたものですが、建設業界はもちろんホテル業やサービス業、果ては税制まで着々と準備は進んでいるようです。
一見オリンピックと関係の薄い業種のようにも見える我々も、オリンピックのときまでに「レベルアップする」目標をもっています。
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の20】
『情熱をレベルアップすれば運命が変わる』
お客様の役に立ちたいという情熱を持ち、行動を起こすところから
レベルアップはスタートする。
30%レベルアップを達成すれば、以前よりも広く深度の深いご提案ができるようになり、
お客様の満足度を高める。
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2015年、理事長の前沢は当法人、あるいは全職員に「この5年間で30%のレベルアップを」という目標を掲げました。
いまから3年前のことです。
そこから遡ること2年前の2013年9月に東京オリンピック開催が決定していました。
当時、経済界も東京オリンピック開催決定による景気上昇機運が高まっておりました。
それから5年弱が経過し、実際に一部の上場会社では過去最高益と新聞で謳われています。
その効果は“一定の範囲において”実現しているようです。
東京の町には次々に超高層マンションが建設され、新しい道路が敷かれています。
しかし、私が見る限り、特に中小企業でその恩恵にあずかっている会社は多くありません。経営者の皆様はどう感じられていますか。
オリンピック景気を維持できるのか?
オリンピックの開催国が、オリンピックが終わってからも開催前の景気を維持できた例は、過去に存在しないそうです。
開催前はオリンピックという国家の一大プロジェクトに向け建設ラッシュが起こり、国民にも高揚感がでてきます。景気はよくなって当然です。
しかしオリンピックが終わればそれらが消えてなくなる訳ですから、オリンピック開催後に開催前の景気を維持するのはほぼ不可能に近いのです。
しかも、日本では世界最速で高齢化が進んでいます。労働人口の減少も、今後はますます加速するようです。
とすると「日本の経済は東京オリンピック終了後(一度沈み、そしてその後)再浮揚できるか」と言われればかなりのクエスチョンになるのではないでしょうか。
大廃業時代を迎える=日本から黒字企業が減る
2017年10月6日の日本経済新聞に「大廃業時代の足音」中小「後継未定」127万社という記事がありました。
現在の会社経営者のうち127万社の経営者が後継者未定。つまりは廃業せざるを得ない状況にあるというのです。
しかもそのうち5割は、黒字の会社であるにもかかわらずです。
もっとも、会社に借金があれば、返済資金がなければ会社をたたむこともできません。
廃業するにも黒字会社であるか、保有資産の売却等で返済資金を調達できる会社である必要があるのです。
そう考えると、後継者未定で廃業する会社の黒字割合が5割というのはそう驚くことではないかもしれません。
しかし日本全体で考えれば、法人税の申告をしている(つまり、事業を現実に行っていると思われる)企業が260万強あり、その中に黒字企業は約30%しかありません。
これから廃業するかもしれない企業の半分が黒字会社だとすれば、日本にはほとんど赤字の会社しか残らないということになります。
企業の数は、今後10年くらいで約130万まで減少する可能性があります。
どんな業種業態の会社でも、その半分が消えてなくなる可能性がある訳です。
「30%のレベルアップ」とはなんぞや?
このような現代日本の実情を考えたとき、我々マエサワ税理士法人が生き残って行くためにどうしたらいいか。
そのための方策が冒頭の「今後5年間で30%のレベルアップを」につながるのです。
何をもって30%なんだ?とお思いの方も多いかもしれません。
我々職業会計人でいうところの税法の知識を今より30%多く持つとか、今より30%多くの仕事がこなせるようになる、とかそういうことではありません。
あるいは5年間で30%だから年6%ずつ成長していけばいい、ということでもありません。
言葉で表すのはと非常に難しいところですが、「自分の意識レベルをかなり上げていかなければならない」ということなのです。
この「かなり」というのがポイントです。「少し」でもなく、「不可能なほどあげる」ということでもありません。
自分の限界ギリギリまで意識レベルをあげていく、ということなのか私は考えております。
マエサワ税理士法人の考える30%レベルアップ
日々、我々がお客様に対して行っている業務を簡潔に示すと、以下のようになります。
・記帳代行、申告書を作成する仕事
・月次で正確な損益を算出し、社長に報告する仕事
・損益だけでなく、財産も見ていく中で将来に発生するかもしれない課題を明確にする仕事
・課題についてのご提案という仕事
・さらなる将来、つまり社長の次の代に事業自体を承継するお手伝いとなる仕事
最初の方に掲げたのは、社長からすれば「やってもらって当たり前」な業務。過去の数字をまとめる作業的な仕事です。
順番が後になるにつれ、「将来に向けた、本当の意味で社長に我々が役立てる仕事」と言えるものになっています。
例えば、税法会計に習熟した職員がいたとして、申告書を作成したらどんな複雑な申告でも適切にできる、月次の締めも真面目にしっかりできている、とします。
しかし、それ以上のことは特にない、という職員が御社の担当者であったら、社長の皆様はどうお感じになられるでしょうか。
税務会計の質問に対してはきっちり応えてくれるので、一定の安心感はあるかと思います。でも、こういった担当者に経営についてのご相談をしようと思いますか?私であれば絶対にしません。
いくら経営の質問をしたところで、このような担当者であれば税務会計のところから見たアドバイス(アドバイスになるかどうかもわかりません)しかもらえないと思うからです。
経営、つまり「いかに儲けるか」が経営者にとっては重要なのですから、本来であれば、担当者は「儲け」の観点から提案をしていかなくてはならないのです。
「役立ちたい」という情熱をレベルアップする
我々が業界水準を上回る税務会計の知識を持っていなければ、そもそも会計事務所として生き残れるはずがありません。
ましてや申告書を正確に作成できなければ、社長との信頼関係もなにもあったものではありません。
それは必達の条件として、そこから先が肝心です。
どこまで社長の儲けに対して、社長がされている経営に対して、我々が興味を持っているか?
いかに、それらに対して役に立とうとし、実際に役に立つか?
税務会計の知識をどれだけ持っているかということとは、全く別問題です。
自分の中でどれだけ経営に役立ちたい、と考えるかどうかです。
この顧問先へのお役立ちに関する情熱の面において「30%のレベルアップを図ろう」と言っている訳です。
もしこれが達成されれば、その担当者は社長に対して5年前とは全く異なるレベルのご提案をできるようになっていますし、社長の我々に対する満足度も30%以上高まることでしょう。
心に思い「意識」できる者が生き残る
どのような商売でも恐らくそうではないかと思いますが、継続的に儲けを出そうとするならば、「良い商品」「良いお客様」「良い商品と良いお客様を良く理解している従業員」の3つが必要です。
しかしそれ以前の話として、長く継続して儲けるための理念であったり、考えであったり、という「意識」の部分が重要になるのではないでしょうか。
心に思わなければ、それを実行に移すことなど不可能であり、心で思ったからこそ、行動を起こし、それが習慣となり、その人の運命を決する、と言いますがまさにその通りなのだと感じます。
今回、日本経済はオリンピック後、良くなる可能性は高くはない、ということを書きましたが、全体として本当にそうなったとしても、全ての会社がだめになるかというとそんなことは決してありません。
もちろん、生き残る会社は多くはないかもしれませんが、必ず生き残る会社はあります。マエサワ税理士法人が顧問させて頂いている会社の社長とは是非、一緒に生き残っていきたいと思いますし、何よりそのためにマエサワ税理士法人自身が生き残らなければならないと考えております。
マエサワ税理士法人が生き残る唯一の答えは「生き残るクライアントに選ばれる存在であること」なのです。
そのために我々はレベルアップを目指し続けます。
今回もお付き合い頂きましてありがとうございました。