マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

令和を生き抜くために社長が考えておくべきこと

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第66号] 令和を生き抜くために社長が考えておくべきこと

2020年1月15日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の66】

『企業経営の王道』

商品開発をしてますか?と尋ねると「常に考えてます!」と答える社長がいる。嘘ではないだろう。だが儲からない。
自分が考えていることを考えていると思い込む人がいるが、注意したいのは、金を払う人が払ってもいいというレベルで考えることを「考えている」と言うのだ。
あくまで客が買うのは、社長が良いと思う商品ではなく、客が欲しいと思った物であり、それが良い商品である。

オリンピック後の日本経済では、より過酷な競争社会が待っている。
同じ商品だと必ず利幅がとれなくなり、値上げもできなくなる。
とにかく商品開発をし続け、客に買われる商品にチェンジし続けるしかない。

良い商品・良い客・良い社員の3つを揃え、価値を創り出す。これが企業経営の王道である。
是非とも儲ける企業、儲け続けられる企業、そして生き延びる企業になって頂きたい。
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令和2年に入りまして2回目のメールマガジンになります。今回は令和という時代を経営者が生き残っていくために何を意識していったら良いのか考えていきたいと思います。

聞こえてくる更なる衰退経済の足音

2020年はいよいよ東京オリンピックが開催されます。経済的にいえばオリンピック後が重要になってきます。過去、オリンピックが開催された後、経済成長し続けた国はないという現実があります。前例に従えば日本経済も現状より悪化することが大いにあり得るということになります。

さらに日本という国自体の高齢化、人口減が既に進んでいます。つまり将来の生産人口がどんどん減っていき、高齢者を支える若年層の負担が劇的に増加していきます。

そうなれば日本経済の活力がますます削がれることになり、ただでさえ世界から見た経済的インパクトの弱くなっている日本が本当に「過去の国」となってしまいます。

2017年に始まったこのメールマガジンでも何度か「2020年オリンピックまでに少しでも多くの儲けを稼いで、その後来るであろう不透明な時に備えましょう」ということを申し上げておりました。あと半年余りでその節目に到達します。

これからの日本経済の厳しさはおそらく今までの比ではないはずです。人がいなくなるということはあらゆる市場のパイが小さくなることを意味し、そうなればそこで生き残っていける会社も少なくなっていきます。

どれだけ仕事をしたかよりも仕事をすることでどのような価値を提供できたか、を問われる時代になるのでしょう。

価値を創り出す企業でないと生き残っていけない

成熟化した社会で生き残れる会社であり続けるためには、
1.良い商品を創る
2.良いお客を創る
3.良い商品と良いお客のことをよく理解している社員を創る
ことに尽きます。

良い商品とは、商品を作っている自分たちが「良い」と思う商品ではありません。お客様から見て「良い」と思われる商品です。大変なのはこれをずーっと繰り返していかなくてはならないところです。定番商品を創ることができれば、その商品のおかけで数年は御社の売上と儲けを支えてくれるはずです。しかし世知辛い現在では、すぐに「模倣」され、さらに高付加価値の商品が出てきてしまいます。売上が落ち、儲けが出なくなってからでは、人・金・モノに余裕がなくなり、なかなか「良い」商品を創り出せないようです。余力のある時は気を許してしまいがちですが、実はそこで次のヒット商品を創るべく努力をしなければなりません。

今、メールマガジンを読んで頂いている社長、幹部の皆様が、30年前に大成功した会社・社長で今も成功している会社・社長をどれだけご存知でしょうか。そのような方をあまり多く挙げられないのではないでしょうか。

長年にわたって儲けを出し続けるということはそれこそ至難の業だということです。2年3年と大成功されている社長がよくいます。もちろん100億以上の売上や10億、20億の儲けを例え2年でも3年でも上げることはほとんどの人ができないことなので、それでも稀有な経営者だといえます。

しかし長期にわたり儲けを出し続ける社長は常に「良い」商品創りに日々勤しんでいらっしゃいます。そういった経営者には凄みを感じます。

次に「良い」お客ですが、これは必ずしも「たくさん買ってくれる」お客=「良い」お客ではありません。往々にして「たくさん買ってくれる」お客からは「値下げ」圧力がかけられます。労多くして益少なし、ということです。売上には貢献してくれますが、儲けには貢献してくれません。やはり儲けに貢献してくれるお客が「良い」お客ではないでしょうか。言い換えれば、こちらが求めている適正な報酬を頂けるお客が「良い」お客ということになります。

最後に良い商品、良いお客をよく理解している社員がいることが会社の儲けには重要です。いくら良い商品と良いお客がいたとしても、そのことを理解していない社員では、儲けを度外視した価格で商品を売ったり、またそういったことを望んでいる良くないお客に商品を売ったりしてしまいます。

やはり同じ会社で仲間として働いている社員とは仕事においては同じベクトルで働いて頂く必要があります。その結果、儲けを出し、社員の皆様の給与に反映し、皆が同業他社よりも多い所得を得られる会社、そしてそれを継続することが会社経営の重要な根幹になるのではないでしょうか。

これらを不断の努力でやっていくこと以外にはこれからの厳しい経済環境で生き残っていくことは難しいと思います。社長業はこれからますます厳しくなっていきます。社長の商品開発に対する不断の努力と儲けのための舵取りを誤らないようにするための一助となるべく、我々マエサワ税理士法人及びスタッフ一同、経営に対するご助言・ご提案を2020年も引き続き、ご提供してまいります。どうぞ宜しくお願い致します。