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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第72号] 今をどう乗り切り将来をどうするか
2020年4月8日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の72】
『先んじて動く』
日を重ねるごとにコロナショックへの経済対策が発表されている。
企業を助けるもの、家計を助けるもの、その内容は様々に資金繰りを支援するものだ。
自社はまだ大丈夫、そこまで影響を受けないと思っていた企業でも、取引先を含む利害関係者から巡って影響を受けてしまうこともある。
今時点で顕在化していない企業でも、事があってから考えていては遅い。
どうか注意深く情報を仕入れ、動ける準備をしておいて頂きたい。
困窮に陥ったとき、そして収束後攻めに転ずるとき、そのどちらでも資金は必要になるのだ。
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4月4日に仕事で伊東市を訪ねました。東海道新幹線(こだま号)と踊り子号に乗ったのですが、まあ空いていました。私の乗った車両は4,5人しかおらず、隣の車両はゼロでした。
また、毎月搭乗する時間の飛行機が減便となっているため、前日の夜に現地入りして対応させていただいている会社もございます。
顧問先様に伺った際の社長との話でも、「営業は取引先から来ないでくれ、と言われているから今、動きが取れない」とか「テレワークを導入したけど、結局は作業しかできないので、売上にはつながらない」といったことが出てきています。
やはり人が集まり、人が動かなければ、経済は動かないということを身をもって感じているところです。
大切にしたいこと
我々の仕事はどうしても直接社長にお会いしてお話しなければわからないこと、伝えられないことがあると思っております。確かにテレワークでもカメラ越しに顔を見ながら会話はできますから、電話よりは聞きたいこと、申し上げたいことは伝わると思います。ただやはり直にお会いする対話と比較すると、劣る部分があると考えなくてはなりません。現場を共有することで可能となるコミュニケーションがあるのです。話すつもりのなかったことでも無意識的に話すことができたりと、会話が展開していく中で「なるほど社長の本意はここになるのだな」と気づくこともよくあります。
我々の仕事の半分は法律業務になります。月次監査時の会計税務のチェック、法人税の計算などはまさに法律業務になります。このような業務は法律に合っているか合っていないかがポイントになり、社長とお会いして云々ということではありません。テレワークでも対応ができそうです。
我々の仕事のもう半分はサービス業の側面です。これはいつも申し上げている顧問先様の儲けに対するご提案になってきます。社長とお話ししてなんぼといったところですが、他愛のない会話であっても社長の目や呼吸、表情の感じだったり、全体の雰囲気など実際にお会いしなければわからないものがあります。
これらはテレワークでできることかといえば…一部はできそうです。今後ロックダウンで自宅待機という状態になった場合には、テレワークで補うしかないと考えております。しかし実際に社長に会ってお話するレベルと比べるとクオリティの劣化は避けられないかもしれません。
生き残りを懸けて
今この瞬間は、緊急事態ですから、まずは生き残ることです。人間の命はもちろんのこと会社の命も社長にとって自分事です。そして会社にとっての血はまさに金です。金が回らなくなれば会社の命は尽きます。今は基本的にはどんなに頑張っても経済が動いていないので、モノが入ってこない、人も動けない状況で売上を上げることは困難というよりほぼ不可能に近い状況です。
そんな中でも金を回さなければなりません。中小企業庁のホームページでセーフティネット保証制度の情報も出ておりますが、このあたりは金融機関に直接聞いて頂いた方が早いでしょう。セーフティネットは申し込みが非常に混んでいるようですので、必要な際は申請をすぐに行いましょう。今は金がいくらあっても足りない時ですから、プロパーで借入れできる状況であれば、セーフティネットはとっておき、プロパーの借入れを先にされてもいいかもしれません。
様々な顧問先の社長から「ここ数年利益を出し、順調に借金を返済し、もう少しというところでまたこれだもんねぇ~。」というお話が出ております。本当にやりきれないです。社長はなんとかして従業員の雇用を維持したい。しかし、そのためには借金をしてでも金を回すしかないという状況。何より自分達ではどうにもならない事象で、会社存亡の危機に陥ったことに対するやりきれなさ。
借金ですから、いくら金利がゼロでも結局は返済しなければなりません。なんのために事業をやっているのかと考えるやり場のない怒りや虚しさを禁じえません。
でも皆様はこれまでもバブル経済崩壊、リーマンショック、東日本大震災という外部経営環境にも耐えてきた経営者の方々です。今回のコロナウイルスは全世界で猛威を振るっており、戦後最大のピンチであるかもしれません。
東京オリンピックが開催されていれば、開催後じわりじわりと日本経済が右肩下がりに落ちていき、1~2年の後、本格的な不況に陥っていくかと考えておりました。しかし、コロナウイルス感染症はそこまで待つことなく、まさに一瞬のうちに日本と世界を不況に貶めました。
一方でコロナウイルスが収まった後には再び世界で厳しい経済戦争が繰り広げられるはずです。我々はその時生き残ることができる会社を目指さなければなりません。コロナウイルスが収まればすぐに「よーいどん」でこれまでの日常が始まるはずです。そのときまでに社長の皆様はどんな商品を開発して、どのように商売を再開していくか考えつつ、直近の資金繰りを考えておかなければなりません。
多くの経営者の方々が平時ならじっくり時間をかけて検証する判断を、数日あるいは数時間のうちに求められる状況が確実にやってきています。社長の判断に是非、マエサワ税理士法人をお役立てください。このような時勢の時こそお役に立てる我々でありたいと思っております。共に頑張ってこの局面を乗り越えてまいりましょう!