マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

社長の考えるべきこと

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第73号] 社長の考えるべきこと

2020年4月22日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の73】

『将来の顧客が求める商品の開発』

外部環境が急変した際、一にも二にも資金を確保し急場を凌ぐしかない。
金策の荒波を乗り切ることも容易ではないが、波が落ち着いた後にも注意が必要だ。
収束までに時間を要した場合、ライフスタイルの変化や常識の書き換え等により、これまでとは需給が変わってしまうことが考えられる。
コロナショックが落ち着いた後、顧客から何が求められるのか?
従前と同じ感覚では上手くいかないことも想定し、商品開発を続けて頂きたい。

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4月7日に緊急事態宣言が出されて二週間が経過しました。新型コロナウイルスは相変わらず世界中で猛威を揮っています。

緊急事態宣言はひとまず5月6日までということになっておりますが、感染拡大が収まらなければその後の延長の可能性もありえます。経済は壊滅的ともいえる影響を受けると思われます。

世界恐慌を振り返り

昔の話になりますが、1929年に世界恐慌が発生しました。この恐慌は1930年代後半まで続きました。そして20世紀の中で最も長く、最も深く、最も広範な不況となりました。
この世界恐慌は、1929年9月4日頃からのアメリカの株価の大暴落から始まり、1929年10月29日の株式市場の暴落(通称ブラックチューズデー)で世界的にニュースになりました。1929年から1932年の間に、世界の国内総生産(GDP)は推定15%減少したそうです(記憶に新しい2008年から2009年にかけてのリーマンショックでは世界のGDPは1%未満の減少でした)。一部の経済は1930年代半ばまでに回復し始めましたが、多くの国では、世界恐慌の悪影響は第二次世界大戦が始まるまで続きました。
世界恐慌は、豊かな国と貧しい国の両方に壊滅的な影響を与えました。個人所得、税収、利益、物価は下落し、国際貿易は50%以上減少したそうです。米国の失業率は23%に上昇し、一部の国では33%にまで上昇したといいます。
GDPは世界中の利益の総額と捉えられ、世界のGDPの推移を見た時にこれが下がるというのは通常考えられません。日本のGDPはこの30年間ほぼ横ばいなのでこのことが実感できませんが、この30年間の中国を始め、東南アジア、アメリカのGDPの成長率を見れば、日本のように3%とか5%という成長レベルでなく、100%をはるかに超える成長率で成長を続けています。これが世界です。その世界のGDPが推定ではありますが15%も減少したそうです。異常事態どころの話でなかったと思います。

この世界恐慌は不幸にも戦争によって解決されます。今回は間違っても戦争などということにならないことを心から祈らずにいられません。

今回のコロナウイルスも特定の地域だけでなく、まさに全世界で蔓延しております。中国はもとよりアメリカもヨーロッパもアジア・アフリカも悪影響を受けていない国がない状況です。もしこの状況があと2か月、3か月と続いたとするならば、1929年の世界恐慌に匹敵するような状況になってしまうかもしれません。

しかし出口のないトンネルはありません。いずれコロナウイルスのワクチン、特効薬ができるはずです。そうなるまで我々が元気にしており、そして会社が存続していることがまず第一です。そしてトンネルを出た瞬間に世界中が一斉に今までの遅れを取り戻すべく、それこそ必死に動き出します。問題はその時、日本が世界のスピードについていけるか、もっと言うなら我々の会社が世界のスピードについていけるかどうかだと思います。

経済の巻き返しを見据えた商品開発を

中小企業の社長の首元に刀を突き付けられているのが今の日本のように感じます。まさに背水の陣を敷いている状況です。コロナウイルス感染症が蔓延しなければ借りる必要のなかった借金をしてでも雇用を守り、そしてコロナウイルスが収まった後は再び儲けを1円でも多く出し続ける努力をしなければならない。でも社長がなんとしても儲けを出すという強い信念を持ち続け、社員の皆さんを励まし続けられれば、いずれ良い方向へ転がり始めるはずです。そのためにも儲けを出すためお客様に手に取って頂ける「商品」開発を進めなければなりません。

当然の話ですが、これは製造業に限らず全ての業種・業態の会社に言えることです。考える原価はゼロということはいつも申し上げておりますが、これをやらなくなったら社長は終わりです。考えたからといって必ずしも良い商品ができるとは限りません。しかし考えていなければ絶対にそんな商品は生まれてきません。

今回は社長にお話しするには大変無礼な文章であったかと思います。どうぞご容赦ください。しかしこの数日、いろいろなことを見るにつけ、聞くにつけ、読むにつけ、日本は今後良くなる要素があまりないと感じたところで、せめてマエサワ税理士法人の顧問先様にはそうはなって頂きたくないと思い、書き連ねた次第です。

大変なお時間を皆様お過ごしになられていることと存じますが、社長が下を向いてしまうと会社は暗くなってしまいます。是非、社員の皆様の前ではそんな表情をせずにやっていきましょう!