マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

コロナ後に我々ができること

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第76号] コロナ後に我々ができること 

2020年6月3日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の76】

『理不尽を跳ね返す』

「儲けること」、社長業に求められるこの一点は、コロナの前も後も変わってはいない。
しかし、当たり前だった日常を取り戻した先には、生まれつつある変化に柔軟に応ずることが求められるだろう。

理不尽の第一波が去り、一同が再出発するときがきた。
未だ影響が根深い企業もあり、また油断も出来ない現状であるが、一歩ずつ前を向いた経営に踏み出して頂きたい。

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新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言が一都三県と北海道で解除されました。5月終わりの週末は町が賑わいを取り戻しつつあります。

この2か月間は新型コロナウイルス感染症のおかげで本当に様々なことを考えさせられました。命のこと、顧問先様のこと、職員のこと、事務所経営のこと、等々。コロナ禍はこれまでの「当たり前」を問い直す契機となりました。

生き残ることすらが厳しい現実との直面

まずは人も会社もとにかく今を生き残ることが全てだということは前回もメールマガジンでお話しさせて頂きました。人は当然のこと、会社もしっかり生き残らなければなりません。コロナ後に会社の命がなくなったということでは、そこで働く社員の生活が守れなくなります。

一方で現実に4月の売上が前年の半分以下に落ち込んでいる顧問先様も少なくありません。メールマガジンで「今は生き残ることが最重要」と自分自身言っておきながら、実際に顧問先様に伺い、通常では考えられない赤字の大きさを見ると、想像を遥かに超える現実の厳しさに言葉が出ませんでした。

借りたお金を返さなければならないのは事実です。しかしこれも言うは易し、返すためには稼がなくてはなりません。稼ぐのが大変だということは私なんかよりも社長の皆様一人一人の方がよっぽど肌身に感じていらっしゃいます。

そんな中でも社長の皆様の強さも感じます。先日お会いした社長は半ば達観した様子で次のように語っていました。

「まあ、起きてしまったのはしょうがない。できる限り借入を起こして、とにかく今を乗り切る。その後はなんとか稼いで返済していくしかないよね。もしそれで返済できなかったとしたら、もう仕方ないよね。はっはっはっ。」

これは借入を返済できる自信があるから出てくる言葉です。俺が返せなかったらどんな人も返せない、という言葉の裏返しに感じました。これくらい精神力が強くなければ経営者は務まらないのだと感じました。

しかし一方で…
「ようやく数字として良い決算書になりつつあったのに、また振り出しに戻っちゃった。」
と、なんとも複雑な表情もされていました。自社の施策がうまくいかなくて数字が悪くなったというのなら当然受け入れざるを得ません。しかしコロナはそうではない。これは特定地域、特定業種に限ったことではなく、全世界で起き、飲食業を中心とはなっていますがほぼ全業種で悪影響を受けております。

再出発に向けて

転ばぬ先の杖ではありませんが、我々も平時に社長とお話する中で、最低でも月商の1か月、できれば2か月くらいの現預金を持てるようにしていきましょう、という話をさせて頂いています。これも1年頑張って儲けを出せたからといって、その程度でできることではありません。少なくとも5年はその気になって儲けを出して、無駄な支出を抑えてようやく月商の1か月分の預貯金が貯められるようになる訳です。

それが突然、コロナがやってきました。これ以上蔓延しては困るので、緊急事態宣言を出します。ですから不要不急な行動は自粛してください。と言われ、その要請通りにしたことで売上が立たなくなり、挙句に借金をすることになり、借金はコロナ後に頑張って稼いで返してください。

自分のせいでも、政府のせいでも、誰のせいでもありません。確かにコロナが蔓延してパンデミックになってしまったら、それこそ命の保証すらない訳ですから、緊急事態宣言もやむを得ないかもしれない。しかし、それを飲み込んで経営をしていかなければならない社長業というやはり商売は厳しいと感じます。是非コロナに負けずに再度立ち上がりましょう。

この文章は6月1日に書いております。6月1日の午前中にマエサワ税理士法人の長期計画発表会がございました。最大の要点は「我々の仕事は半分が法律業務(申告業務)で半分はサービス業(経営財務のコンサルティング)であることを強く認識しましょう」ということでした。

業績が悪いときは悪いときなりにやれることが現実にあります。
業績が落ち込んでいたとしても、会社の株式評価が小さくなる可能性が高く、非上場株式の譲渡には有利になる場合がありますし、前期決算が好調で納税したような法人であれば、今期決算で赤字になったとしても繰戻還付で前期の税金還付を受けられる可能性があります。

このあたりは我々が顧問先様のためにお役に立てる部分の一つです。是非ともマエサワ税理士法人及び顧問先様担当者にご相談ください。