マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

アフターコロナへ向けての1年

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第91号]アフターコロナへ向けての1年

2021年1月1日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の91】

『暗さを織り込み前に進め』

2020年はコロナに始まりコロナに終わる年となった。
未曽有の危機に対し金融支援が種々行われたものの、更なる経済不況を憂うと気持ちも暗くなるばかりかもしれない。

2021年、苦しいときは続く。
だが経営者たるもの腹を括り、視点は広く気持ちは前向きに、是非とも儲けを取り戻す年にして頂きたい。

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皆様、明けましておめでとうございます。いよいよ令和3年の幕が開きました。「新型コロナウイルス感染症に端を発する未曾有の経済不況からいかように脱却していくか」が今年のテーマとなります。

今もなお窮地に立たされている現状

コロナによる悪影響をもろに受けてしまっている業種では、今は売上を創るのも非常に困難な状況です。旅館、ホテル、飲食業、陸運、エンターテイメント業、医業などがその業種に該当しております。こういった業種の会社では、売上5割減は当たり前、8割減に達している会社もあります。

こうなると下手に動いてしまうとむしろ赤字幅が増加してしまうので、雇用調整助成金が出る間は事業を止めていわゆる「冬眠」を選択する会社もあります。

一方で少し考え方を変えて、あるいは工夫をして、うまく売上増加につなげた」という報道も見聞きします。もちろんそういった報道が嘘だとは思いません。しかしそうした成果を上げられている会社は全体からするとほんの一握りです。大多数の経営者は考えられることは全て考え、それでもどうにもならないという苦境に立っています。手を尽くした結果、冬眠するしかないという会社が多く存在するのが現状です。

売上の有無にかかわらず発生するのが固定費ですが、一般的に固定費といえば、人件費と家賃が挙がります。さらに設備産業では減価償却費、設備費(リース料)が含まれてきます。

人件費については休業した分は雇用調整助成金のおかげである程度カバーできますし、家賃についても一部については家賃支援給付金が給付されましたが、設備部分の借入れやリースの支払いについては何の支援もありません。

したがってコロナ禍における中小企業と一口に言っても、設備を持っている会社の経営の厳しさは生半可なものではありません。

コロナ融資には上限額があります。会社の規模に伴って資金需要も大きくなりますが、上限額は画一的と言わざるを得ません。この融資額では十分な資金手当てができない、まさに焼け石に水だ、という会社も少なくないのです。
コロナ前の業績が好調であっても、今回のコロナ禍で売上が立たずに一気に資金繰りが悪化してしまった場合、為す術がないというのが現状です。資金手当てにも限度があるとなれば、身の丈を縮めるしかありません。本当に断腸の思いです。このような会社が出て来ないことを願うばかりです。

儲かる仕組みを考えましょう

一方でこのコロナ禍で居酒屋を開店する会社もございます。コロナ前と比較すると格安の出店費用で開店にこぎつけようとしております。コロナ禍の影響を受けるであろう開店当初は苦戦を予想していますが、この会社の一店舗目は別会社の食肉加工業の商品をバイヤーに見せるためのテストキッチンも兼ねているので、居酒屋単体で仮に赤字であっても別会社の売上増加により業績を伸ばし、グループ的に黒字が大きくなればという狙いがあります。もちろん居酒屋自体の早期での単月黒字も目指しております。

そして1店舗目でうまくいった場合、多店舗展開もにらんでいらっしゃいます。日本経済全体で投資が抑え気味になっている今だからこそ、それをチャンスと捉え、動き始めているところもあるということです。

結局、人は結果で人を判断するものです。事がうまくいけば「社長の英断だった」となりますし、逆になれば「社長の暴走だった」という評価になるのかもしれません。しかし広く世界を見れば、有形無形のものに投資をしているアメリカや中国は、来年以降の経済成長率の予想もプラスに転じているのに対し、日本はあいかわらずマイナス予想です。日本の消費マインドは全体で見れば冷え込んでいるというのは間違いないのですが、全てが落ち込んでいる訳ではないので、その間隙を縫って是非ともチャンスを掴みたいものです。

多くの会社にとって、令和3年はコロナ前の業績に戻すための1年になるかと思います。巷ではコロナ前の水準までには売上は回復できず、まずはコロナ前の「7割」まで戻せそうということでアフターコロナは「7割経済」とも呼ばれているようです。

そうなるとまずはコロナ前の売上の「7割」でも儲けを出せる仕組み作りが必要になってきます。もちろん売上が7割しか戻らないのに、コスト構造が変わらないのでは赤字になってしまうので、コストも徹底的に削っていくことになるでしょう。

令和3年最初のメールマガジンから厳しい内容になってしまいましたが、社長が元気でいなければ社員の皆さんは不安を感じてしまいます。社長としては本当にきついところですが、こんな時こそ「夢と希望」が大事なのではないでしょうか。令和3年もますます経営環境が厳しい中ではありますが、マエサワ税理士法人職員一同、これまでと変わらず社長と二人三脚で経営に対するご提案をしてまいりますのでどうぞ宜しくお願い致します。