マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

変化を厭わない

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第93号] 変化を厭わない

2021年1月27日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の93】

『変化をおそれず前に進む 』

商売において儲けるために必要なことは、一にも二にも商品開発・業態開発である。
外部環境の変化により既存事業が立ち行かなくなってきたときは、ときに大きな舵取りが必要となる。

事業転換は決して楽な道ではない。
今まで築いた本業を離れすぎず、こだわりすぎず、「儲けるには?」を念頭に変化に挑んで頂きたい。

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事業再構築補助金~中小企業の事業転換を支援~

先日、ある顧問先様へ伺った際に『中小企業等事業再構築促進事業』に関するご質問がありました。
『中小企業等事業再構築促進事業』とは新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す、以下の要件をすべて満たす事業・団体等の新たな挑戦を支援するものだそうです。(令和2年度3次補正予算案が通れば実施されることになります)

対象となる企業は、
1.申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等
2.事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等
3.補助事業終了後3~5年後で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成
※マエサワ税理士法人は認定経営革新等支援機関になっております。

中小企業が対象であり、
通常枠:補助額100万円~6,000万円(補助率2/3)
卒業枠:補助額6,000万円~1億円(補助率2/3)
卒業枠は400社限定となっており、事業計画期間内に、1.組織再編、2.新規設備投資、3.グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠となっております。

また中堅企業に対しても

通常枠:補助額100万円~8,000万円(補助率1/2、ただし4,000万円超は補助率1/3)
グローバルV字回復枠:補助額8,000万円超~1億円(補助率1/2)

グローバルV字回復枠は100社限定で
1.直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業
2.補助事業周長後3~5年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること
3.グローバル展開を果たす事業であること
のすべての要件を満たす事業であることとなっております。

儲けが出る仕組みを作る

この支援の内容を見て感じたことがございます。いよいよ政府も全ての企業を助けるのでなく、助ける企業を峻別し始めたということです。今も緊急事態宣言中に時短営業の実行に協力した店舗に対して1日6万円の支給が決まっております。しかしコロナ禍がいつ終結するかわからない今、コロナ禍の波が来るたびに広く助成金を出していては早晩、日本の財政も破綻してしまいます。

今回の『中小企業等事業再構築促進事業』は中小・中堅企業への助成金としては今までになく大きなものになっております。中堅企業くらいの規模になってくると100万、200万の支援ではどうにもならないというのが現実です。そういう意味でも国も助成する企業を選別しつつ、選ばれた企業に対しては金額的に意味のある助成をするということなのかと理解しております。

最初に書かせて頂きましたがこの助成金は事業の再構築に対する支援になっていますので、今までやっていた事業から事業転換を図ることが大前提になっております。例えば、店舗を出してのレストラン経営からオンライン専用の注文による宅配や持ち帰りの形態への事業転換や、航空機部品の製造からロボット関連部品・医療機器部品製造事業への事業転換などが挙げられております。

コロナ禍が治まったとしても生活様式はコロナ前の状況のように完全には戻らないでしょうし、経済状況もコロナ前とは同じようには戻らないでしょう。そうするとコロナ前と同じことをやっていても7割経済といわれるとおり、100%の売上には戻らない可能性が高くなります。

そうだとすればまずは縮小した売上でも儲けが出る仕組みを作らなければなりません。ただ借金がある場合には当然に借金を返済していかなくてはならず、縮小した売上から生み出された儲けもコロナ前の儲けと比べて大きくなるというのはなかなか難しい。

借金の返済まで考えると儲けを出すだけでなく、儲けを増大させなければならないという場合も出てきます。そうなると既存の事業の儲けだけで借金返済が間に合わないとなれば、新たな儲けのために新規事業を考えていかなくてはなりません。

ただ社長の皆様がこれまで全く関与していない新しい事業に手を出すのはリスクが高いと言わざるをえません。やはり今までの事業に関連する事業であったり、業態をニーズに合わせて変化させたり、儲けを出すための社長の工夫が必要になってきます。

いずれにしてもアフターコロナのニーズに合わせて自社サービスを開発していかなくてはなりません。人は変化を嫌うことが多いですが、周りがコロナによって変わってしまっている以上、それに合わせて変化していきましょう。マエサワ税理士法人も皆様のニーズを掴み、変化を厭わずそのニーズに応えてまいります。