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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第110号] 事業への情熱
2021年9月22日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の110】
『儲けへの第一歩』
我々経営者に求められることは儲けることであり、そして儲けている経営者は商品開発・業態開発に常に頭を回している。
顧客の反応、世間の反応、社員の反応、多様な変化を感じ取り、更なる儲けのためのアイディアを生み続けて頂きたい。
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儲けている社長の共通点のひとつは、アイディアマンであることです。問題はこれらアイディアから売れる商品を創れるかどうかなのですが、儲けている社長はアイディアから売れる商品を生み出しています。
私もメールマガジンで毎回のように新商品の開発が重要と申し上げさせて頂いておりますが、おそらくどの会社でも「売れる新商品の開発」は常に取り組まなかねばならない永遠の課題です。ただ、これを実践し続けるのは非常に困難なことです。ですから売れる商品の前にまずはアイディアをたくさん出すことが重要であるともいえます。
本業を離れる時は慎重に
先日、金融機関からの紹介でサプリメントの製造販売をされている社長と知り合うことができました。それと時を同じくして、サプリメントとは全く異なる事業をされている会社を訪問した際、アフターコロナを見据えた事業として今までの事業とは別に新たにサプリメント事業への進出を画策されているという話が出てきました。
私はこれも何かの縁かもしれない、お互いを引き合わせてもまずくなることはないだろうと考え、二つの会社を引き合わせることに致しました。
サプリメントの製造販売をされている社長からは、この事業をされて20年以上の経営で培った、商品の流行り廃りやサプリメント事業の展開の注意点、業界独自のルールなどを指南頂き、最後は立地についても貴重なアドバイスを受けることができました。
私がその話を聞いて感じたのは自分が全く知らない事業をするときには、よくよくその事業を熟知しており、かつ信頼できる人とやらなければなかなか成功させることは難しい、ということでした。とはいえ、挑戦をしなければ事業の幅が広がらないということもあるので、そのバランスは難しいものがあります。
おそらく王道としては自分の行っている事業の周辺事業に手を伸ばすことを考えることなのだろうと感じます。全く門外漢の事業に手を出すとなると成功する可能性はかなり低くなってしまうように感じます。少なくともこれまでの事業とは全く異なる事業を手掛けるときには新事業に熟知している信頼できるブレーンがいることが最低条件にはなってくるのではないでしょうか。
稼ぐ力、アイディア力
また別の話になりますが、先日、金融機関から紹介された会社で事業再構築補助金申請のお手伝いをさせて頂きました。
この会社は旅行業をされていたのですが、コロナ禍で売上が90%減まで落ち込んでしまいました。そのため新事業を立ち上げるための資金助成を受けるために、事業再構築補助金の申請を行いました。申請に必要な事業計画書作成の際にその会社の社長と新事業についてヒアリングをさせて頂いた時のことが非常に印象に残っています。
我々がお会いさせて頂くまでの半年の間、寝ても覚めても事業立て直しのために何をやっていくべきかをずっと考えていたと社長は仰っていました。社長は、まあよくもまあこれだけのアイディアが出るなあと感服するくらい、深く新事業の計画を企画されていました。新事業に対する情熱を非常に強く感じました。
やはり稼ぐ力の強い社長はどの方でもアイディアが湧き出てきます。そういった話をするときはいわゆる「常識」などは気にせず、「これならばお客さん喜ぶよね」とか「こういうサービスがあったらみんな嬉しいよね」という言葉が口をついて出てきます。
聞いている私が勇気をもらえる感じです。コロナ禍で非常に厳しい状況に置かれている会社も少なくありません。しかしそういう会社の社長がなんとか会社を立て直してやるぞ、という強い気持ちを感じることができます。私でそう感じるのですから、社員の皆さんはそれ以上に勇気づけられることでしょう。
やはり中小企業にとって、仕事を創ることができる社長は一番の要です。いつも申し上げているように、よい商品、よいお客様、よい商品とよいお客様をよく理解している社員の存在があれば儲けることができます。根本にはこういったことが必要だと強く感じている社長がいるということがスタートになるのだと思います。
苦しい状況になってくるとよかった時にはあまり気にならなかった課題が顕在化してきます。やはり会社の業績が悪くなると社員の不満や不安というのは出がちになります。とはいえ事業をやっていく上で一番重要なことはなんといっても稼ぐことに他ならないと思います。
その軸をずらしてしまうと余計に不満や不安が高まりかねません。いかに資金繰りを安定させ、赤字幅を減らしていくかが重要です。やはり稼ぐことがいろいろな不満や不安を消していくのに一番な効果があるように感じます。
今回は若輩者にもかかわらずいつも以上に知ったようなことを書いてしまいました。どうかご容赦頂けると幸いです。