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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第130号] これからの日本経済は・・・
2022年6月29日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の130】
『儲けづらい国 』
環境が儲けへの行く手を阻むこともしばしばだ。
我が国はこの30年間、お世辞にも儲けやすい国・環境であったとは言えない。
今現在では、未曽有の危機の収束を前に、早くも為替と物価に皺寄せがきてしまっており、苦しい状況が続いている。
儲け、黒字を維持することが使命である経営者として、この逆風の中いかな手を先んじて打てるであろうか。他様よりも一歩早く、一歩前に進める企業でありたい。
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円安ドル高が進んでおります。2021年1月時点では103円前後だった為替相場は135円前後で推移しています。たった1年半で30%ほど円安が進行しました。それに伴い、原料仕入高も値上げラッシュや品薄状態が続いております。
迫る日本のスタグフレーションの危機
先日ある経済番組が「アメリカのサンフランシスコでは年収1400万円の人が低所得者層に分類される」と伝えていました。
一方で、マクドナルドのビッグマック価格はアメリカでは5.81ドル(世界経済のネタ帳より)だそうです。今の為替レートが135円/ドルですから円換算で784円です。日本のビッグマックの価格は390円ですからちょうどアメリカの半分です。ビッグマックの価格から、という限定的な見方をすればサンフランシスコの年収1400万円は日本の700万円に相当するとも言えるかもしれません。
物価の高騰によるインフレーションは(いきすぎればさまざまな問題を引き起こしますが)企業ないし国が成長していく過程においては不可避の現象です。
この30年間、おそらく日本だけが物価上昇せず、そして給料も500万円前後のまま推移しました。物価も上がらず、給料も変わらないので、見た目には生活水準は守られているように感じます。
コロナ禍が終息し始め、世界経済が再び動き出し需要が大きくなったことや、世界の工場とも言える中国が上海を中心とした強力なロックダウンを続けたことで、世界の需給バランスは大きく崩れております。半導体を使う製品が品薄状態になってしまい、日本では自動車産業などに大きな打撃を与えています。
さらにウクライナ紛争により、世界の穀倉地帯の小麦が出回らなくなってしまったり、世界的な天候不順で小麦も含めたあらゆる農産物、飼料価格が高騰してしまいました。これらが加工品の生産価格の上昇、飲食店での原価率上昇に拍車をかけ、最終消費者への販売価格へ転嫁せざるを得ない状況になりました。
ただし、アメリカでは経済状況は悪くはないので企業は利益を出し続けております。結果として社員への給料も今までと変わらずあるいはそれ以上に出し続けており、物価上昇分を吸収できている形です。むしろ景気過熱気味とみて、金利を上げて熱を多少冷まそうとしてる状況です。
一方の日本はといえば、経済状況は皆様ご存知の通りです。相変わらず7割近くの企業が赤字となっております。この状況で給料を上げるという経営判断をする経営者は多くないでしょう。政府はコロナ禍において個人・法人に助成金、補助金、支援金を配ってなんとか景気に火をつけたいと考えておりますが、今のところ効果は限定的といったところです。
当然のことながら、現状のままで金利を上げてしまえば、景気は冷え込む上、国債の利子も増えてしまいますから、しばらくは日本では金利は上げられないのが実情ではないでしょうか。
これからの日本経済は我々が考えている以上に厳しいのかもしれません。
黒字にこだわる
30年前にGAFAは存在すらしていなかったか、あるいは存在していたとしてもスタートアップ企業の1社にすぎませんでした。それが今や企業価値で世界のトップ10に揃って入るような企業になっております。
一方で日本にそのような会社があるかといえば、楽天など思い当たる企業はいくつかあるもののその活躍はまだまだ日本国内限定です。世界的企業と呼べるのは現状でいえば、トヨタ自動車くらいです。それでも世界で32番目です。
「日本経済は良くない状況になっている。そして急激な回復は難しいと予想せざるを得ない」という話を私はこれまでこのメールマガジンで幾度となく申し上げてきました。
しかし(誤解を恐れずに言えば)私は「顧問先社長の会社が儲けを出していること、そのお手伝いをするマエサワ税理士法人であること」を最も重視したいと思っております。赤字率70%はすなわち黒字率30%です。この30%の中に入っていけばいいのです。
もちろん、今までと同じやり方、同じもの、同じサービスでは今後生き残っていくのは厳しいでしょう。やはり最後はいかに高い付加価値を相手へ与えることができるか、に尽きます。
マエサワ税理士法人の顧問先様は70%が黒字企業です。顧問先様の儲けへの役立ちを実践していくことで、是が非でもこの比率を高めて参る所存でございます。