マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

事業に対する凄まじい熱意

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第189号] 事業に対する凄まじい熱意

2024年10月2日 配信
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の189】

『儲けましょう。黒字化しましょう。』

情熱、商品、人、銭、組織。

規模が大きくなるほど求めるものも増えてはいくが、最初の情熱なくして始まるものも始まらず。

経営者たるものいつだって情熱の炎は絶やさず、飽くことなく儲けに邁進して頂きたい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日本経済の成長を支えた情熱社長の一幕

先日、ある関与先法人の顧問が事務所にお越しになりました。この顧問は御年85歳になられる方です。この顧問、若かりし頃は印刷業界に革命を起こした風雲児でした。往時には300億円の売上を誇っていらっしゃいました。

「当時の自分は営業一本やりでね。経理や資金繰りなどは番頭さん任せ。それが原因で最終的には会社を手放さざるを得ない状況に追い込まれてしまった。もっともっと守りを固めておくべきだったけれど、それに気づいたのは体の自由が利かなくなった80歳のとき。本当馬鹿な話だよね」顧問はよくそういったお話をされます。

若かりし日の顧問は湧き出てくるアイディアを自分の足で実行して次々に成功させ、向かうところ敵なしといったところだったのだと思います。右肩上がりの経済成長をしていた当時の日本で、素晴らしい業績を残されました。融資のお願いで金融機関に相談をしに行っても、これまでの実績とこれから実行しようとしている事業計画を話せば、いくらでも融資を受けられたそうです。

顧問は四六時中、事業のことを考えておられます。

思考をまとめるのは大学ノートです。考える、書く、考える、書くという作業を繰り返していると寝食も忘れてしまうそうです。大学ノートには事業のアイディア、そのアイディアを実現するための施策、収支計画、資金繰りなどが大量に貯まっていきます。

そして一度練られたアイディアをブラッシュアップしたものを新たに新しい大学ノートに書き連ねていきます。コロナ禍ではずっとこの作業を繰り返されていたそうです。

ただご年齢も80歳を超えてくると自身で思い描いたアイディアを自ら実行することは難しくなりました。そんな中、顧問がトラウマになるほど衝撃を受けた出来事が起きました。三、四年前のことです。

社会の役に立ち、自分も相手も儲かること

いよいよアイディア具現化のために会社でコロナ融資を受けようと顧問がマエサワ担当者と共に、ある金融機関に相談に行った時のことです。顧問は「数百万円程度の融資は、温めてきた計画を相手に理解さえしてもらえれば、そう難しいことではない」と考えていらっしゃいました。

ところがその時足を運んだ金融機関では、マエサワ担当者は別室で待たされ、顧問は一人だけで金融機関の方と話をしました。その結果は、けんもほろろで融資は受けられず。顧問は、金融機関の方が会社の現況だけ確認し、新しい事業のアイディアについては全く聞いていないことに憤慨されていました。(たしかにコロナ禍前から事業が動いていなかったので、融資を受けるのは厳しい状況であったように思います。)

この出来事に、顧問は傍から見てもわかるほどショックを受けておられました。昔は金融機関から「融資させてくれ」と言われていたのに、数百万円の融資を受けることさえ困難なのかという思いだったのかもしれません。

その一件以来「ないないづくしの自分たちではあるけども、必ず携わる皆が幸せになるアイディアが出来上がっているのだから、それを実行してくれる仲間を集めよう」という話をされるようになりました。

私はいつも「事業においては儲けることが最重要」だということを申し上げております。それが変わることはないですが、顧問がおっしゃる意味合いはよく理解できます。自分のすることが相手にとって役に立つことでなければ資本主義経済では儲けることはできません。それが顧問の場合は儲ける以前の話として「社会のために役立つ」ということが前提にあり、その結果、金銭的にも潤う・儲かるというだけの話です。

事務所にお越し頂いたときも2時間の間ずっと自分の思いを我々にぶつけられていました。決して過去の失敗を隠すこともなく、かといってそれに囚われる訳でもなく、とにかくこれからどうやってアイディアを実現させるか、そしてまわりにいる人たちを幸福にするか、それだけです。なんというエネルギッシュな方なのでしょう。

顧問の考えるアイディアは誰にも損をさせない、そして誰もが必要以上の持ち出しがない、空き時間で気軽に始められて様々な携わり方で携わってもらい、参加した皆に幸せになってもらいたいというものです。

事業にかける情熱に年齢は制約とはなりません。自分のやりたい事業をとことんまで突き詰めて考える顧問のお話をうかがっているとそう思います。

やはり事業にはまずもってこの熱意がなければ、人の心を動かすことはできないのです。

ただ一方で、稼げなければ市場を退出せざるを得ないのが資本主義の本質です。顧問は絶対に自分を信じている人を裏切らない、そしてその人たちを幸せにする義務を自分は負っているとお話されています。その熱意を知る者として是非ともこの事業の成就を祈らずにはいられません。