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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第191号] AIに頼る部分、人に頼る部分
2024年10月30日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の191】
『儲かるようにすべてを変える』
儲かっている企業、黒字の企業、同業他社の中でも理想とする企業。
様々目が留まる企業と自社はどこが違うのだろうか?
一つ二つと自社にも取り入れたほうが良い点がきっと見つかることだろう。
やったほうが良いことを前にしたとき、やらない理由ばかりを挙げて食わず嫌いとなってはいないだろうか?
掲題はある本のタイトルだが、その言葉どおり、我々経営者は儲けるための挑戦から逃げてはならない。
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10月27日は衆議院議員選挙でした。「自民党惨敗、議席数過半数に届かず」。また野党の連立政権の時代がやってくるのでしょうか。前回、経済感覚に乏しい大臣方のお陰でどれだけ日本が体力を削られてしまったか、思い出すと暗澹たる気分にさせられます。
とはいえ政治については門外漢ですので、この話題はおいておき経済に関するところに目を移すと、日本における利益計上法人(=黒字法人)と欠損法人(=赤字法人)の総数(昭和26年から令和4年)が国税庁のホームぺージに載っておりました。毎年、更新されますが2年前のデータが最新データで掲載されるので、今年に関しての最新情報は令和4年分となります。
■ますます二極化が広がる日本経済■
数字を見てみると、黒字法人は1,132,434社、赤字法人は1,777,413社、合計2,909,847社が我が国には存在しております。黒字法人割合は38.9%となっており、こちらは平成21年の27.2%を底にしてほぼ右肩上がりで回復してきております。
ただ、今の経済成長は過去の成長とは異質であるように感じます。昭和中期の「高度経済成長期」や昭和後期から平成始めにかけての「バブル経済」などは、多くの国民がその経済成長の恩恵にあずかることができていたのではないでしょうか。
経済成長が国民に均等にもたらされているものではないことは、この統計を読み込めば明らかです。平成21年以降ずっと右肩上がりで黒字法人割合が伸び続けているとはいえ、令和4年度でもその割合は上述のとおり38.9%であり、依然として6割以上の法人は赤字です。
また興味深いのは申告所得金額です。黒字法人の申告所得金額の合計額について見てみると、バブル崩壊間際の平成2年に50兆円近くまで行きました。そこからのバブル崩壊により平成21年には30兆円余りまで減少しました。ところが令和4年には80兆円まで回復しております。
上記をまとめてみてみると、黒字法人割合が平成21年から令和4年までの13年で27.2%から38.9%へ11.7%改善された一方で、黒字法人の申告所得金額が平成21年から令和4年までの13年で30兆円から80兆円へ実に50兆円(164.1%)改善されたということです。
黒字法人割合の増加率に比して申告所得金額の増加比率ははるかに大きい。つまり、稼げる会社がより稼げるようになった一方で、それ以外の会社はその恩恵にあずかれていないのが日本経済の現実のようです。
海外の先進諸国を見ていても貧富の差は拡大しておりますが、日本もいよいよそういう形になってきていると感じざるを得ません。
日本と先進諸国との実質GDP比較を見てみると、各国2000年実質GDP水準を100とした場合、2019年(コロナ禍前)のアメリカは144.9、イギリス137.6、フランス127.9、ドイツ127.0に対し日本は114.9となっております(内閣府「国民経済計算」、IMF「World Economic Outlook」などを基に作成)。
つまりアメリカの実質GDPは2000年から20年間で約1.45倍に成長しているにもかかわらず、日本は約1.15倍しか成長していないということです。ちなみに2000年のアメリカの実質GDPは140,960億ドル、同年の日本の実質GDPは48,261.69億ドル(SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ)であるため、2000年時点でアメリカは日本の実質GDPの2.9倍以上であったということになります。それが2019年に至っては3.7倍以上の差が開いてしまったということになります。
世界基準で見れば日本はこの30年以上経済的にはほとんど成長できなかった国です。中国は言わずもがな、インドも台頭してきております。ますます日本の存在力の低下は避けられない状況です。
■経営における食わず嫌いをなくす■
日本でもいよいよ貧富の差が拡大しているというものの、稼いでいる企業が存在しているのは事実です。
先日、ゴルフをご一緒させて頂いた上場会社の元社長が仰っていた言葉が印象的でした。「もはやAIなくして産業は成り立たない。人ができることはITとAIを駆使すれば全て奪うことができるようになった。だから人を使わずいかにAIとITを取り込んでいくかが極めて重要だ」。
そして「仮に人の依存する仕事であればそれは相当な付加価値がつけられる仕事でなければ成り立たない。プログラマーやデザイナーはもはや人でなくても充分にできる」。
この方は世界中を回られてきており、自身もITに非常に精通されています。それだけに発する言葉には自信がみなぎっております。
私が今一生懸命WordやExcelを打っている時間もこの方からすれば単なる無駄な時間になってしまっているかもしれません。私自身、今やっている仕事についてはっきりとIT・AIで対応すべき部分と付加価値をつけられる仕事をしっかり分けていく必要があることを痛感しました。
もはやITやAIを苦手だとか言っている場合ではないようです。まずはAIを知ること、そしてそれをどのように自社の事業に組み込んでいくかを考えていく時期になってきたようです。そして人でなければできないことに人を投入し、最大限の付加価値を生み出していくこと、そして貢献した社員に給料という形で報いていくことが会社経営として極めて重要に感じます。
これからはあらゆる経営資源を最大効率で事業に投入していかなければ、稼ぐことは極めて困難です。特に中小企業は、経営資源そのものが少ないわけですから今までのやり方に囚われていてはうまくいかないことも多いでしょうし、とはいえ良いものは良いので残すべきものは残していくという取捨選択が求められていきます。
稼ぐための取捨選択が続いていきますが、マエサワ税理士法人職員一同も未来を見据えたご提案をできるだけの資質をさらに磨いてまいります。どうぞ引き続き宜しくお願い致します。