マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

滞納税金をつくらない

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第192号] 滞納税金をつくらない



2024年11月13日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の192】

『夜中に目が覚める金の辛さ 』

仕方がないと言いながらする赤字という名のボランティアに意義はあるのか?

金があるならそれも自由だが、金が回らなくなると本当に辛い。

納税や返済も重くのしかかり、赤字沼は悪循環しか生まれない。

仕方がないという言葉はグッと飲み込み、目の色を変えて黒字を取り戻して頂きたい。

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なによりもまず黒字を出すこと

会長の前沢は「社長が、事業経営の中で税務会計について考える時間は全体の3〜5%程度で十分だ」ということをよく申しております。私もそれで十分だと思います。これ以上税金のことを考えて多少なりとも節税できたとしても、その時間は売上を伸ばすことに費やした方が結果としての手残りが多くなる可能性が高いと考えるからです。

このことはさまざまな顧問先社長とお話していても実感しています。出た税金は納税すると腹をくくっていらっしゃる社長はとにかく売上を伸ばして稼ぐことに注力しています。そして売上を伸ばすためにどうすべきか、とにかく研究熱心です。いかに得意先に受け入れられる商品・製品・サービスを創り出すか、常に考えられています。

こういう社長は付加価値をいかにつけていくかという視点で物事を考えているので、安値で売るという発想にはなりません。商品や製品・サービスの価値に見合った適正価格で売っていくことを考えているのです。総じて粗利益率も低くないレベルにあることが多いです。

こういった事業経営に対する姿勢を外から見させて頂いているので、冒頭述べた通り「社長は税務会計については3~5%程度考えれば十分」ということになります。「利益の30%は納税し、残りの70%を貯めていく」というある種の割り切った考え方の方が結果として手残りが多くなると感じるのです。なにより利益は顧客からの信用に繋がります。

コロナ禍を経て納税に苦労している会社も少なくありません。

現状、法人の約6割が赤字の状況です。仮に赤字会社であれば赤字ということで赤字分だけキャッシュアウトが多くなっている状況です。融資の返済があれば、返済によるキャッシュアウトも出てくるので、二重の支出となりキャッシュフローは火の車になります。

ただし赤字でも資金さえあれば倒産はしません。逆に黒字でも倒産することはあります。債権を回収できなければいくら黒字でもキャッシュが回せなくなるからです。

とはいえ資金があるからといって赤字で良い理由はありません。赤字の時点でキャッシュアウトしているのは間違いないですし、黒字ではない時点で社会に対して付加価値の提供ができていないことになります。多少厳しい言い方をすれば「会社の存在意義を失っている」ということです。何よりも利益が出ていない時点で顧客の信用を失っています。


稼ぐこと、貯めることに目を向ける

消費税も納税に苦労している会社が多い税目のひとつでしょう。消費税は黒字赤字を問わず基本的には売上が多くなればなるほど納税額も増えていきます。

以前調査があった時に、調査官との雑談の中で消費税の納税について話をしたことがあります。

前沢:消費税は業績の良し悪しに関わらず納税する発生が高いので、特に赤字の時には厳しい税金ですよね。
調査官:でも売上にかかる消費税は会社としては預かっているだけですから、それを納税することは当然ですよね。

調査官が言っていることは日本語としては分からなくもないですが、実務で生きている我々には全く響かない会話です。

売上の都度、これは会社のお金、これはお客様からお預かりした消費税分のお金、というように売上金を分けて管理している会社があるでしょうか。一万円札は一万円札であって、お金が足りない時に、これはお客様から預かっている消費税だから使わないなんていう社長は今まで見たことがありません。

とはいえ消費税を納税できないことをそのまま認められるかと言われれば、それはまた別問題です。どの事業者も苦労して納税している以上、納税すべきものは納税するしかないでしょう。

ちなみに令和5年の滞納税金発生額は「申告などにより課税されたものの金額」の1%程度、7,997億円です(国税庁HPより)。滞納税金発生額のうち一番多い税目は消費税で4,383億円となっております。滞納税金の中の50%以上を占めています。やはり消費税は他の税目と比較しても納税に苦労されている事業者が多いことがデータからも明らかです。

余談になりますが、滞納税金発生額が一番多かったのは平成4年で18,903億円となっております。バブル崩壊直後の年です。令和5年からみれば倍以上の滞納税金発生額です。税目を見ても消費税よりも申告所得税や法人税などの方が多く、相続税に至るまで各税目軒並み滞納税金が多かったようです。

滞納したくて税金をためてしまっている人はいません。ただ個人で自己破産しても納税を免除されるわけではありませんし、滞納税金があれば融資も受けられません。

そんな事態に陥らないようにするには①稼ぐこと、②貯めること(+守ること)、③次世代へ承継していくことをマエサワ税理士法人としては社長とこれからも共有してまいります。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。