マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

株式の承継で気を付けるべきこと②

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第195号] 株式の承継で気を付けるべきこと② 

2024年12月25日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の195】


『ビジネスの事業承継』

事業を継ぐ者、継がれる者、どちらにもそれぞれの苦悩があることだろう。

それでも互いに事業の発展と経営の安定、目指すところは同じはずである。

時が経ってから、継いで良かったと互いが思える事業承継を目指したい。

考えることは沢山あるが、まず本業で儲けること。そして儲けたお金をしっかり貯めることで採れる選択肢を増やして頂きたい。

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稼げる次世代社長となれるかの第一歩

前号で事業承継のうち、株式の承継についてお話させて頂きました。株式の事業承継が完了すれば、形式的には次期社長への事業承継は完了します。ただこれで事業承継の完了とはとても言えないことは社長の皆様もご承知のところです。

本当の意味で事業承継の完了がいつなのかと問われれば、次期社長が自分自身でしっかりとした稼ぎを創れるようになったときではないでしょうか。

売上を創ることのできる社長であれば社員は安心して働くことができます。食いっぱぐれがないのですから当然のことです。多少、組織内部がガタついたとしても大した問題ではありません。

初代がカリスマ経営者であればあるほど、次世代の社長も事業を承継することは大変だと思います。カリスマ経営者であればあるほど、まだまだ自分は経営を続けられる、経営が楽しくて仕方がないという方ばかりです。

そういう方の場合、事業承継をしなければならないと頭ではわかっていてもなかなか動くことができず、肝心かなめの事業承継がなかなか進まないというのもよく見る光景ではあります。

私自身の話を少しさせて頂くと、私も事業承継道半ばです。会長の前沢は毎日朝一番に事務所に来て、雑巾がけをやってから仕事を始めています。全盛期から見れば顧問先様のところへ行く件数もかなり減りましたが、今もなお地方出張にも行っております。そして月曜午前中の研修の時のパワーは相変わらずです。

私は二代目として事務所を引き継がせて頂いておりますが、私自身が気を付けることとして今考えていることは、会長が築いてきた事務所の歴史は大事にしていかなければならないということです。

経営理念や経営方針に始まり、事務所内の様々なやり方は急に変えるべきではないように思います。もちろん時代の流れに合わせて変えるべき部分は変えなければなりませんが、二代目だからといって自分の色を出そうなんて考える必要もないと思っております。そんなことを思わずとも「自分」というものは自然と外に出てしまっていて、私自身が変えようと思っていないことでも、場合によっては周りから見れば変わっているように見えているかもしれません。

会長の七光りのお陰でできていることもたくさんあります。それはそれで有難く受けるとして、どうやって私自身、新しい売上を創っていくかが大きな課題です。いかに顧問先様へ儲けの役立ちができるか、にかかっています。社長の皆様に税務会計ではなく経営について相談される私でなければなりません。これからもどうぞ叱咤激励の程、宜しくお願い致します。

安定して成長し続ける企業を目指すこと

さて、脱線してしまいましたが、事業を承継する側にも事業を承継される側にもある種の我慢を求められるのがまさに事業承継と言えそうです。

私自身はまだ事業を承継される側の経験しかなく、順調にいけばあと10年もすれば事業を承継する側の立場に変わります。第三者的に皆様の事業承継を見ている限り、やはり事業を承継する側の方が圧倒的に我慢を求められているように感じます。

私が会長に感謝しているのは、右も左もわからず入ってきた私を普通の新人職員と同じように扱ってもらったことです。普通の職員よりはステップアップする期間は短かったですが、一緒に働く仲間のことや事務所のルール、仕事の仕方などを知る上ではとても良かったと思います。

事業を引き継ぐ側のステップアップについてはやり方の問題なので正解はないと思うのですが、入社したばかりの人の気持ちや中堅の人、ベテランの人の気持ちを知ることも大事なように思います。もちろん一番は稼ぐことにあるので売上を創る能力のある方はそんなことをせずとも問題はないのかもしれません。

しかし誰もが先天的に売上を創る才能に恵まれているとは限りません。長い目で見ても一緒に仕事をする仲間のことを知ることは極めて重要なことだと思いますし、それを知ることで将来、適材適所に社員を配置することができるのではないでしょうか。

次世代の社長はともすると親の七光りに頼ってしまう所があり、本人がそれに気づいていればまだしもそれに気づいていない場合は危険信号です。自分の実力でもないのに自分の実力だと勘違いしていればおそらく数年のうちに業績が急激に悪化し、気づいた頃には立て直せなくなっているでしょう。

事業承継がうまくいかず一代で終われば、企業30年説がぴったり当てはまってしまいます。一方で100年企業の数の多さは世界的に見ても日本は圧倒しています。それは変えてはならない理念や考え方は変えずに引き継いでいき、時代に合わせて変える商売道具の部分は上手に変えていく知恵と教えが脈々と受け継がれているからなのでしょう。

マエサワ税理士法人も顧問先様も、是非とも100年企業を目指してまいりましょう。今後とも引き続き宜しくお願い致します。