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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第196号] お客様と社員はどちらが会社にとって大事か
2025年1月1日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の196】
『稼げる成長企業になるための選択』
良い商品を作ること、良い客と付き合うこと、良い社員を育てること。
自社を長い目で成長させ、儲け続けていくために何を重視し、どれを選択すべきか。
時代によっても、環境によっても、人によってもその答えは異なるだろう。
資本主義経済に生きる経営者として、日々儲けに繋がる良き決断ができる年にして頂きたい。
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新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。本年が顧問先様皆様にとって良き年となることを祈念しております。
経営者として何を基準に物事を選び取るか
いよいよ2025年がスタートしました。今年も張り切ってメールマガジンを執筆してまいりますので、メールマガジンの方もどうぞ宜しくお願い致します。
さて本題に入りますが、社長が経営をされるにあたり一番大事にされていることは何でしょうか。稼ぐことでしょうか、社会貢献することでしょうか、あるいは社員の家族の生活を守ることでしょうか、その他にもいろいろあると思います。これが唯一絶対の正解というものはありません。ただ我々が経済の中で生きていることを考えれば、利潤企業として稼ぎ続けなければ会社は生き残っていけないことだけは間違いないと思います。
ある顧問先様の会議に出席していた時に社長からこんな話が出てきました。「古くからずっと大事にしてきたお客様」と「優秀な社員」を選択しなければならないとなった時、どちらを選択すべきか、という話でした。
まずはなぜ昔から大事にしてきたお客様と優秀な社員とが利益相反するか、のところです。この顧問先様はここ数年成長し続けております。売上高も一人当たりの生産性も伸びております。社員の実力もここ数年で高まっており、はた目から見ても幹部社員の皆様の考える力が高まっていることには感心するほどです。
昔からのお客様というのは例えば地場で商店を営んでおり、当時の顧問先様にとってはこれらの商店への売上は一定の利益貢献がございました。時代は流れ、この顧問先様の売上規模は県内に納まるものではなくなり、遠方への売上が急増し、さらには大型チェーン店にも卸すようになり、地域の小売店への売上は全体売上に占める割合はごく僅かとなってきました。
現在は大ロットの製品を効率的に工場で作っているため、小ロットの注文には手作業での対応となります。ですから小ロットの注文が入るといったん社員がそのための対応をすることになります。結果として工場の生産効率に影響を与えることにはなっているようです。
そんな中での今回の話です。昔からのお客様を大事にしていくか、それともこれを犠牲にしてでも生産効率を高めていくか、で大いに議論となりました。
時間をかけてでもその選択を正解にしていけるか
「昔からの大事なお客様は小ロットのお客様であっても大事なお客様に代わりはない。採算が取れなくてもこれまでのことを考えれば大事にしていく必要がある。」というご意見。
「しっかり稼げと言われているから必死に生産効率を高めているのに、小ロットのお客様の対応をしようとするのは矛盾している。稼ぐことを主眼に置くならば生産効率の落ちることはやめるべきだ。」というご意見。
皆様はどちらのご意見に同調されるでしょうか。前者に同調する方、後者に同調する方、あるいはケースバイケースで変わる場合もあるという方もいらっしゃるかもしれません。経済は資本主義で動いていることから考えれば、後者の方が稼ぎやすいといえるでしょう。冷たいようですが、稼がなければ生き残れません。
ただ昔からのお客様を大事にすることも間接的には企業ブランド構築の上では軽視できない面があるのも事実です。特に地方であればその意味は東京以上に大きいでしょう。工夫して小ロットの地元のお客様にも対応する方法の模索は無駄なことではないはずです。
例えば工場の脇に小さな工場を創ってそこで最少人数で回すことで地域貢献をしていくことや、工場直営店を創り、そこで一般消費者に小売りをしながら小ロットの事業者への注文にも応えていくことも考えられます。このあたりは考え方に柔軟性が必要かもしれません。
この顧問先の社長は、「私は古くからの大事なお客様と優秀な社員であれば、優秀な社員を取る」と明言されました。「なぜなら優秀な社員がいなければ会社を存続することはできないが、仮に大事なお客様を失ったとしても優秀な社員がいれば新たなお客様の創出は可能だからだ」と続けられました。
本当に難しい判断です。その通りだとは思うものの、そう言いきってしまって良いものか…。今回のケースでは古くからのお客様は採算も悪いと明白でしたから、これを切るというのも経営上は必要な判断かもしれません。
長く事業経営をされるほどに、付き合いの長いお客様を大事にしたい、という気持ちが強くなるのは人情としては理解できます。もしかすると中小企業から中堅企業へ、そして中堅企業から大企業へ規模を大きくしていく段階で社長の皆様が通る道なのかもしれません。
義理人情か効果の追求か。それは経営者の考え方が色濃く反映される選択です。そして、最終的にはすべて社長の判断で決定すべき問題となります。
我々マエサワ税理士法人は、そうした社長の決定に有用な選択肢をなるべく多く、つぶさにご提供していきたいと考えております。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
(本メールマガジンでは顧問先様のことについてご紹介させて頂くことがございますが、当然のことながら他意はございません。それでも誤解を招く表現がございましたら、ご指摘いただければ幸いです。)