マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

節税に対する意識

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第201号] 節税に対する意識 

2025年3月12日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の201】

『節税を枕詞にした無駄遣いは身を滅ぼす』


歯を食いしばって儲けを貯めた会社はいざという時に自社を守り、チャンスを掴める。

資本主義に生きる我々は、コロナ禍でもそれを大いに学んだはずだ。

事業活動の結果「使える税制を使って節税をする」は王道だろう。

だが順番を逆にし「節税のために行動する」という思考になってはいないだろうか。

時間を掛けて自己資本を盤石に、大風が吹いても飛ばない会社を目指して頂きたい。

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納税に対する忌避感とどう向き合うか

先日、飲食関係の物流分野で大商いをされている会長のところへ月次の会議で伺ったときのお話です。この会社ではすでに事業(ビジネス)の承継は終えられており、新社長がしっかりと会社を回されております。あとは株式の承継を残すのみです。

会議が始まる前、少々雑談をしておりました。その中で会長が「もう30年も40年も前で自分がまだペーペーの頃、お金もないのにいろいろなところに連れていかれたんだ。若い者も勉強せなあかんということで酒席に連れ込まれるわけだけど、なんのことはない、少し時間が過ぎると『あとはお前頼むぞ』って。つまり支払だけを自分がさせられるわけ。当時の自分はまだ30歳そこそこ。そんな金があるわけないのに。」

昭和生まれの私にはなんとなく想像できる光景です。まさに懐かしいお話ということでその場は和やかな雰囲気になりました。そんな時に会長がおっしゃられたのが「でもさ、その頃お付き合いしていた社長連中はほとんどいなくなってしまったよねえ」ということでした。

これは当時お付き合いされていた社長の方々が亡くなったということではありません。当時羽振りが良かった商売人の多くが「今では姿を消した」という意味です。

会長は当時、こういった社長の方々から聞かされていた話があったそうです。曰く「いい税理士を雇わないとだめだよ。いい税理士は節税の仕方をよく知っているから。そういう税理士を雇い入れて徹底的に節税しないと」と。

会長はその話に違和感を覚えたそうです。私もいろいろな経営者とお話していて、経営者の考え方が十人十色、百人百様であることを実感しております。税金に対しての考え方も一人一人違うのは当然です。だからその違和感とは会長が自分とは違うなと感じただけの話であり、それだけの話です。

昭和50年代は実効税率はおよそ50%でした(もっと高い税率の時もあったと思います)。今現在は30%内外ですから当時の経営者からすれば税金の負担感は今の比ではないほどに大きかったと思います。必死に稼いだ儲けを税金として納税することに対する抵抗感は今以上に強かったのではないでしょうか。

それでも結果として「稼いだものに対する納税は仕方なし」と考えるか、「徹底的に納税額を減らすことに注力する」かは社長によってスタンスが異なります。もちろん正しい、正しくないということを申し上げるつもりはありません。

正しさの追求よりも儲けの追求を

マエサワ税理士法人の前沢会長が常に言っていることに、「経営者が経営全体について考える時、税金のことを考えていいのは3%から5%程度だ」と言っております。経営において最重要事項は「いかに稼ぐか、儲けるか」であり、税金は儲けた結果の数字に過ぎません。そして法人税(実効税率)は昭和の50%から30%程度まで引き下げられています。この30%の税金を少なくすることを考えるよりも、儲けを大きくすることを考える方が会社や社員が成長できる可能性は断然大きくなります。

マエサワ税理士法人の顧問先様を見ていても、長く顧問契約を継続されている顧問先様ほどに儲けを出すことに邁進されており、しっかり納税されている方が多いのが事実です。もちろん、合理的な範囲内での節税対策はさせて頂いておりますし、納税についてもなぜこれだけの納税額になるのかご理解頂いております。長い目で見るとそういった社長の会社の方がお金は貯まりやすい傾向にあります。

儲けるのがとても上手な社長は多くいらっしゃいます。それだけでも素晴らしいことなのですが、ただ貯めるのがそれと同じくらい上手な社長となると少なくなります。さらに貯めたお金を上手に承継できる社長となるとほんの一握りになります。

目先の節税をしようとするとどうしてもキャッシュアウトを伴うことが多いです。いわゆる「無駄遣い」です。キャッシュアウトしたお金があとで全額戻ってくれば問題はないのですが、節税できた分を考えてもトータルキャッシュアウトが大きかった、なんてことはザラです。これではお金は貯めるどころかむしろ減ってしまうことが多いように思います。

これは実際に様々な顧問先様社長の考え方と行動の結果を見ていて感じる部分です。前述しましたが、何が正しいかの問題ではなく、社長の考え方次第で結果も変わってくるというだけのことです。「儲けを出す、税金は納める、銭は貯める(あるいは適切な再投資を行う)」を 長きにわたり実践されてきた会社の決算書には筆舌に尽くしがたい説得力があるものです。

我々はできれば社長の皆様が儲けやすく、そして貯めやすくということを考えながら、顧問先社長の皆様とお話させて頂きたく、邁進してまいります。どうぞ引き続き、マエサワ税理士法人と職員一同を宜しくお願い致します。