マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

参禅研修の話

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第207号] 参禅研修の話 

2025年6月4日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の207】

『経営者として長く生き抜くために』


儲けを出すためにどう思考し、どう行動するかを常に意識すること。

資本主義経済を勝ち抜く経営者であろうとするならば、外してはならない指針である。

自身を振り返り、甘さを自覚できるのであるならば軌道修正もできることだろう。

心を落ち着かせ経営者としての自身と向き合う時間を持つのも、時には必要ではなかろうか。

成長力で諸外国に後れを取る儲けづらい国に

経済的に見た世界における日本の実力はどのくらいでしょうか?
2023年における一人当たり労働生産性はOECD(経済協力開発機構)加盟国38か国中32位となっております(日本生産性本部HPより)。金額でいえば日本の一人当たり労働生産性は92,663ドル/877万円(購買力平価換算)です。

ちなみに32位というのがどれくらいの位置かというと、30位はハンガリー(92,992ドル/880万円)、31位はスロバキア(92,834ドル879万円)という位置づけです。経済的にいえば2か国共にマイナーな国といえるでしょう。日本はそれらの国に後れを取っている状況です。

日本はG7を構成する国(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)の一つですが、一人当たり労働生産性でいえばG7中断トツの最下位です。日本以外のG7構成国はOECD加盟国38か国中20位以内に入っておりますが、日本だけ32位。こんな日本も1990年当時、一人当たり労働生産性は13位でした。

「ジャパンアズナンバーワン」と言われた1990年には名目GDPが米国(5,963,125百万ドル)に次ぐ2位(3,185,904百万ドル)でした(GLOBAL NOTE HPより)。このメールマガジンでも幾度となく書かせて頂いております。これが2024年になると1位は変わらず米国(29,184,900百万ドル)ですが、2位は中国(18,748,009百万ドル)、3位はドイツ(4,658,526百万ドル)、4位が日本(4,026,211百万ドル)となっております。

順位でいえば2つ落としただけといえますが、米国はこの30年余りの間に5倍弱の成長を見せたのに対し、日本は1.3倍弱です。あまりの成長の差に愕然とさせられます。

コロナ禍以後、所得を増やしていこうということで賃上げ圧力が強まっています。またそうしていかないと人材を獲得できない状況になってきました。特に上場会社を中心に賃上げムードが高まっています。当然に中小企業もこの嵐に巻き込まれていくでしょう。

ただ、賃上げするにも原資となる儲けが上がらなければ賃上げどころではありません。儲けが出ないのに賃上げなどしたら会社が潰れてしまいます。かといって賃上げしなければ優秀な社員ほど給料のよい会社へ転職してしまい、結果としてより儲けづらい会社になってしまいます。

どうすれば稼ぎを増やせるのか?の追求

コロナ禍後の日本の経営環境はコロナ禍以前より厳しくなったと感じます。どの社長も同様に感じられているのではないでしょうか。コロナ禍に見舞われた際に「今」を乗り切るための融資を受けざるを得ず、これから返済負担が大きくなる顧問先様も少なくありません。このような返済負担を差し引いて考えても稼ぐことは難しくなっています。

なぜ稼ぐことが難しくなったのかといえば、会長の前沢の言葉を借りれば「 日本人は働かなくなった」からです。私なりに言えば、社会の変化に即した経営の変化が実現できていないから、ということになります。社会は変わっていきます。特に感じるのは価値観の多様化です。だからこそ「付加価値をつけて売れる商品やサービスを売りましょう」といってもかつてのやり方だけでは通用しない世の中になっています。

ある顧問先様の会議での社長のお話です。「最近、体力ではなく、頭で勝負できるようになってきた」と幹部社員の皆様にお話されました。これまでは例えばスポット製品の製造があれば、社員、パート合わせて早出残業、部門もラインに入ってみんなで製造していたものが、最近では部門責任者が他部門の責任者と連携して人のやりくりをしたり、ラインに工夫を図るなど効率化することで、早出残業せずとも涼しい顔をして同じ数量の製造が可能になりました。業務に携わっている人も機械もほとんど変わっていません。部門責任者は作業ではなく、管理業務に集中できるようになりました。この顧問先様では、部門責任者の成長が、顧客ニーズへの対応の一役を担っていると言えるでしょう。

これからの日本は人材確保にも難儀する時代です。ただ足りないことを嘆いている暇はありません。もちろん人材を確保するための方策も大事ですが、今いる人材を成長させる必要があります。会社としてどうやって稼いでいくか、どうやって成長していくかのビジョンをことある事に社員の皆様に共有していくことが大事なのは変わりません。

ただそれだけでは足りないように思います。社員は皆、社長のことをよく見ています。これはどの顧問先様に伺っていても強く思うことです。それもそのはずです。社長が社員の皆様の給料を決めているのですから。社長自身が、自社のビジョンにかなった振る舞いを続けることは前提となるでしょう。社長が成長しない企業では、社員は成長しません。

また、社長は社員一人一人を今まで以上に観察していく必要があるように思います。やはり社員それぞれに人格があり、社員それぞれにやる気スイッチがあります。

やる気スイッチは他人にはわからないことがほとんどです。本人ですら意識していないので当然です。それでも社長は社員のやる気スイッチを押さなければなりません。会社として稼ぎを増やし続けなければ給料を増やすことはできません。なんとしてでも社員一人一人にそのことを理解してもらい、自分自身を成長させ、ひいては会社の儲けに貢献してもらい、給料を増やしていく。これができなくなった時から会社は衰退がはじまっていきます。5年程度はもつかもしれませんが、10年はもたないでしょう。是非ともマエサワ税理士法人とその顧問先様は10年、20年後も隆々とした会社で居続けたいと思います。