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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第209号] 日本という国の行く末は?!
2025年7月2日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の209】
『常に稼ぐ方向に目を向ける』
稼げる人間を増やす施策が必要なのは、国も企業も同じである。
一朝一夕ではいかないが、稼ぐための地力をどう上げるか? 常に頭を回したいものだ。
売れる商品を創り、顧客を増やし、任せられる社員を育てる。
時間と根気が必要であるが、長期にわたり儲け続けられる企業を目指して頂きたい。
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令和の米騒動ではございませんが、コメ不足により米価格が高止まりしています。小泉進次郎氏が農水大臣になられてから備蓄米の放出が本格化し、お米が高すぎて買えないといった事態が少し改善されてきました。
とはいえこれでこの先も安心というわけにはいかないように感じます。農家の方々の平均年齢は70歳台になっており、あと10年経てばお米の作り手がいなくなります。こうなると価格が高いとか安いとかの問題ではありません。どうやってお米の作り手を確保していくかが中長期の課題です。
先日行われた都議会議員選挙でも、税金や社会保険や子育て支援などの所得補助が焦点となっておりました。今夏に行われる参議院議員選挙でも消費税減税などの減税が焦点になって来るでしょう。お金を使う話ばかりでお金を増やす話はひとつも出てきません。
ここで政治の話をするつもりはありませんが、あまりにもポピュリズム(大衆からの人気を得ることを第一とする政治思想・活動)が行き過ぎているように思えます。「選挙さえ乗り切れば」と考えているように見えてしまうのは私が穿った見方をしているからでしょうか。
赤字から脱することが出来ない日本
ところで皆様、現在の日本の歳入と歳出がいくらなのか、ご存知でしょうか。ここに2025年の日本の国家予算を書き出してみます(NHKホームページより)。
歳入は総額115兆1978億円です。主な内訳は①消費税24兆9080億円、②所得税22兆6660億円、③法人税19兆2450億円となっており、歳出との差額を補うために国債が特別公債として21兆8561億円、建設公債として6兆7910億円が発行されています。
先に述べたように消費税の減税が叫ばれておりますが、現実の話として消費税の減税を行った場合の減収をどのように補うのかが問題です。
もちろん消費税の減税により人々の購買意欲が高まり、結果として様々な会社に利益が落ち、働く人々の給料が増加すればよいのですが、そこまでの効果があるのかどうか。
巷では高額所得者の税率を上げるなどと言われていますが、それでは富裕層が日本から脱出を始めるようになるかもしれません。単に税収が落ちるというだけの話ではないと思います。多くの富裕者は仕事を創ることができる人たちです。雇用を創出できる人を日本から追い出してはますます日本経済の先行きは危うくなるように感じます。
ただでさえ所得税率は最高税率で45%+住民税10%で55%。相続税の最高税率も55%。富裕層が日本にいる理由はもはや日本人である、ということ以外なくなってしまったように思えます。どうしたら経済を活性化できるのでしょうか。
消費税の税収がなかったら日本はとうの昔に崩壊していたでしょう。一方で法人税の税収が税目別で3番目にあること自体も問題です。会社が稼いで利益を出してこそ法人税の税収が増加し、会社から個人へ配分される給与が増加し、それに伴い所得税の税収が伸びるというのが本来の姿のように思います。
会社も全く同じです。今までと同じように人材を獲得することは難しくなりました。終身雇用の考え方も薄れてきた今では仕事に対する考え方も昔とずいぶん変わったように感じます。
それでも国の施策を反面教師として見ていれば、会社として稼ぎ続けていかなければならないことは自明の理です。稼いでいるからこそ給料を増やせるのであって、稼げないのに給料を増やすなどナンセンスの極みです。
生産性を上げなければならないのもその通りです。ただし今までと何も変えていないのに生産性など上がるはずがありません。どんな仕事でもいかに顧客に対してよい商品やよいサービスを提供し続けられるか、それが全てです。今それができていてもそれを5年後も10年後も続けなければならない。そうしなければ会社はいずれ崩壊してしまいます。
稼げる国、稼げる企業を目指して
次に歳出になりますが、歳入と同じ総額115兆1978億円です。主な内訳は①社会保障38兆2938億円、②国債費28兆2179億円、③地方交付税交付金等18兆8728億円、④防衛関係費8兆6691億円となっております。
社会保障費は過去最大であり、高齢化に伴う医療や年金に係る支出の増加や、子育て支援として行われる多子世帯を対象とした大学授業料の実質無償化などに必要な費用となっております。
社会保険にしてもインフラ整備にしても今の体制を維持するのは早晩難しくなるように思えます。高齢化が進み、高齢者の割合が増えていき、若者の割合が減っていくのですから当然のことです。目先のことだけでなく将来を見据えて考えていかなくてはなりません。
防衛関係費は中曽根元首相の頃、ニュースでGNP比1%を突破したということを聞いたように記憶しておりますが、2025年度ではGDP比1.8%になっているそうです(日本経済新聞より)。
税収は77兆8190億円と2024年度の当初予算段階を8兆2110億円上回り過去最大になる見込みです。それでも不足する28兆円余りを新たに発行する国債で賄う計画になっております。つまり歳入全体の4分の1を国債が占めている訳で借金頼みという構図はこれまでと何ら変わっていません。過去最高の税収でも歳出を賄えないというのはどう考えてもおかしいです。
2025年度末の普通国債の発行残高は1129兆円となる見通しです。単純に国債の利回りが1%上昇すれば、11兆円の資金が金利の支払いで消えてしまいます。国家予算の1割近くが消失することになります。
普段の生活に置き換えて考えても借金をして入ってくるお金をあてにして生活している人などほとんどいません。入ってくる以上に使っていればいずれ破綻することが目に見えているからです。しかしながら日本という国はそれをずっとし続けています。あと10年程度はなんとかなるでしょうけども、その後に日本に明るい兆しが見えません。今の若者が気の毒です。
国がだめになっても元気な会社はたくさんあります。とはいえ、国が栄えている方がそうでないよりよほど稼げるでしょう。日本という国をもう一度活性化させて経済的に世界の第一線に復帰させたいという思いを政治家の皆様に感じて頂きたいものです。