マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

会議の本質

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第210号] 会議の本質

2025年7月16日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の210】

『儲ける意識を強く持て』


経営会議の場では、この先どう儲けるか?を主眼に諸問題を詰める必要がある。

ただ黒字でした赤字でしたを眺めていても、何の意味もない。

その日その時に問題を食い止める気概で真剣に臨まなければならないはずだ。

儲けに対する社員の感覚を磨き、経営者の考えを社員と共有すること。

この時間をきちんと作れるかが、長い目で会社として儲けの体質を創ることに繋がるだろう。

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ある顧問先様での月次の経営報告会議での話です。

まず、各部門責任者から前月に起きた事象の報告、前月の業績についての報告、改善点、改善策などが話されます。

その後、マエサワ税理士法人から全社ベースの損益の状況、資金繰り状況、資産負債純資産の状況について前期比較での説明や当月のトピックスを中心にした報告、改善案や留意点をお話しします。

最後に改めて各部門責任者から当月以降の見込みやトピックスについて話をして頂き、1時間半から2時間で会議が終了となります。

他の顧問先様でも様々な経営会議を実施しておりますが、会議の標準的な流れは上述のようなものです。

「その場を取り繕って何が解決するというのか!」という社長の叱咤

この顧問先様での月次の経営報告会議の話に戻りますが、マエサワ税理士法人からの報告が終わり、最後の各部門責任者の皆様の話が終わった後、社長から次のようなお話が出てきました。

「この会議はこの会社の主要な幹部が出ている重要な会議だ。にもかかわらず幹部の口から出る言葉は全て会議の場だけで話している言葉であり、何の解決にもつながらない。そんな言葉で繕ったような意見などは意見とは言えない。もっともっと各人が真剣に仕事を考えなければならない。業績が1か月や2か月悪いこと自体は全然たいしたことではないが、この場をやり過ごすためだけの言葉には非常に怒りを感じる。」

「なぜ今まで上げられていた売上が減少したのか。皆、取り繕ってもっともらしいことを言っていたが、売上が減少したという事実に対する原因としてはまるでずれている。」

「先方の在庫調整のあおりを受けたということになっているが、実際に調べてみると、当社の製品の競合品を当社の取引先が大々的に売り出したというのがその原因だ。」

「ただの在庫調整ならこの後売上が回復するだろうが、今回は違う。競合品が売れに売れているからだ。こうなるとしばらくうちの売上が回復するのは難しいかもしれない。」

社長としてはやるべきことをやっていない社員に対するまさに叱咤でした。会議をすると仕事をした気になります。もちろん会議は会社の様々な課題を解決するために実施するわけですが、気をつけないと単なる「報告を聞く会」となり、何の解決にもならないどころか貴重な時間を浪費するだけになりかねません。

そういう意味で月次報告会というのは難しい会議です。事業承継や組織再編会議となれば、課題が明確なため、会議の意義も明確です。ところが月次報告会となると、毎月の話なのでルーティンワークになりがちで、構成員もともすれば無難な意見で終始することになることもままあります。

無難な意見とは裏を返せば、全く経営改善に役に立たない意見ということです。まさにその場を取り繕うだけの意見。真剣に仕事を考えていない、と言われればまさにその通りとしか言いようがありません。

そんな会議であればやらない方がマシという話にもなってしまいます。会議参加者には明確な問題意識が必須となるでしょう。表面の対処ではなく、前向きな改善を目指した時間であるべきです。

会社の目指す方向へ一緒に向いてもらうために

また、幹部が集まって話す機会には、副次的な意味合いもございます。こういった場で社長が何を話すかを社員は見て、聞いています。社長が社員に「うちの会社はこういったビジョンに基づき、こういった行動を起こし、こういった結果をつかみ取る」ということを話すことには大きな意義があります。

普段の業務が忙しいからといってこれをさぼっていると社員それぞれが勝手な考えに基づき、動き出すようになってしまいます。そうならないようにするためにも、また社員に自分の勤めている会社がどういう方向を目指しているのか知ってもらうためにも、そして社員が会社のことを信頼して長く勤めてもらうためにも経営会議は非常に重要なことのように感じます。

ただし、定例の会議をルーティンの会議と捉えてしまう時点で内容のない会議になってしまいます。毎回、どうやって経営状況を上げていくか、まずは社長自身が強くそれを持つことが重要だということを改めて気づかされました。

質問に対して真正面に回答してくれればよいのですが、真正面からの回答になっていない時に、それでは回答になっていないと言える人がいない会議では会議の意味がなくなる。それを指摘すべき社長が手ぬるい態度をしてしまえば、社長自ら会議の意味をなくしてしまうことになる。私も改めて自身に問うていかなくてはならない、と強く感じました。皆様の会社の会議は意義のあるものになっていますでしょうか。