マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

会計事務所としての生き残りをかけて

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第212号] 会計事務所としての生き残りをかけて

2025年8月13日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の212】

『人から選ばれる企業を目指すこと』


「今後AIに取って代わられる仕事」というものは多くの職業において潜在し、この先どのように稼ぐか?という考え方そのものの見直しに迫られている。

誰でも出来てしまう仕事については、売上そのものが見込めなくなり、人も寄り付かず、ひいては職業そのものが斜陽となるだろう。

顧客だろうが社員だろうが、人は稼げる業界、稼げる企業に寄り付くものだ。
時代のうねりに取り残されて人に見放される企業とならないよう、儲けられる企業であり続けて頂きたい。

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相手から求められるものを提供できるか

今年も8月5日から3日間にわたり税理士試験が執り行われました。主な受験者は大学生、あるいは社会人です。通学や通勤をしながら勉強をするのは精神的に厳しいものです。当然のことですが遊ぶ時間、休む時間を削りながら勉強するしかありません。そういう意味では我が業界を志望する方々は真面目な人が多いように思います。

税理士試験が8月7日に終わると翌日の8月8日から2日にわたって、税理士試験の専門学校主催の就職説明会が開催されます。例年通りマエサワ税理士法人もここに参加し、求職者を募りました。

マエサワ税理士法人がこの就職説明会に参加して30年以上、ここから人材の採用に繋げてきました。私が就職説明会に参加し始めてからは15年ほどですが、就職説明会の様相もかなり変わってきました。

まずは会計事務所への求職者の数が大きく減ってきたことが挙げられます。次に採用を目指して説明会に参加する会計事務所の規模が大型化してきたことも印象的です。そして何より私が強く感じるのは求職者の質の変化です。

会計事務所への求職者の数が減っていることは由々しき事態です。どの業界も人手不足となっておりますが、税務会計業界への求職者の減少は単に人口減のみが原因ではないと私は考えています。10年前であれば税務会計業界に飛び込んできていた人たちが似て非なる業界を選択するようになっているのです。

似て非なる業界とは、例えば大手監査法人系コンサルティング会社や金融機関、M&A仲介会社などが挙げられます。こういった業界に10年前であれば税務会計業界に飛び込んでいたであろう求職者が引っ張られているといえます。それはなぜかといえば、ずばり給料格差が要因だと思います。会計事務所は給料が安い、という実態(あるいは固定概念)がそのまま税務会計業界の雇用を厳しくしています。

自身の能力をどのように稼ぎに繋げていけるか

会計事務所も昨今のM&A活発化により、大型化してきました。ビッグ4監査法人であれば従業員も数千人規模となりますが、それ以外であれば百人規模なら大型会計事務所といわれる状況でした。ところがこの数年で百人を超える会計事務所が増加し、千人を超える会計事務所も出てきました。こういう状況では数人しかいない会計事務所が参加しても求職者は目にも留めません。小規模会計事務所は就職説明会に参加できなくなったように感じます。

求職者の質が変わったというのも大きな変化点です。以前は会場の求職者へ声がけすると、「私が行きたい事務所リストに御社は入っていないので結構です」と断られることも多くありました。それくらい行きたい事務所について本気で考えていたということでしょう。ところが最近では「特に行きたいところは決めていないので話を聞きます」という求職者が増えました。

また、最近の求職者は、事務所の立地に重きを置く方が増えました。これも以前は考えられなかったことです。

さらに、面接の日時を約束しても連絡なしでドタキャン、というケースも頻繁に起こります。「そういういい加減な人を採用しないで済むのでそれはそれでよかった」と思いつつも、これでよいのかという思いは拭いきれません。

最近の就職に対する考え方は、「3年ほどキャリアを積んだら自らの成長のために新たな会社へ転職する」というのが当たり前だそうです。これが実行できるのはよほどの実力がなければ難しいでしょう。3年で業界を理解して儲けられるようになるなんて社長の皆様からしたら信じられないと思います。

とはいえ若い職員を見ていると我々世代にはない魅力を持っています。効率化にかけては目を見張るものがあります。私が2時間3時間かけて作るデータを1時間もかけずに作ることができます。

問題はこの能力を顧問先様の儲けに繋がる提案に持っていけるか、だと思います。単に効率化しただけでは生産性は高まりません。効率化で浮いた時間を儲けを増やすことに費やさなければ意味がありません。

私は50歳を過ぎましたが我々世代と今の20歳、30歳台の世代をこれからどう融合させて儲けに繋げられるかが私に課せられた使命のように感じております。

多くの、特に旧来からの他業界においても、税務会計業界と同様なことが起こっている可能性が高いように思います。

◎事業者の大型化、寡占化の進行
◎求職者総数の減少
◎求職者の質の変化

DXの深度を深めるなどの業務効率化は進めるとしても、それでも利益を出し続けていくには、採用を続けていくのが王道というのが私の考えです。

どうすれば質の良い新入社員を迎えられるのか。

究極的な答えは「マエサワ税理士法人が儲けられる組織であるということ」だと思っております。すなわち、お客様の儲けに対して圧倒的なお役立ちを提供し続けることです。採用を理由にお客様に対するサービスの質の低下を許すことなどありえません。採用は採用で必ず成功させます。

試行錯誤は続きますが、これからもこれまでと変わらず、顧問先様の儲けに役立つ提案ができるよう職員一同邁進してまいりますのでどうぞ宜しくお願い致します。