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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第213号] 経営者の考え方で業績は決まる
2025年8月27日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の213】
『絶対に黒字を出すという強い意志』
資本主義経済において、赤字経営とはただのボランティアである。
黒字を出し、儲けを残してこその経営だ。
人は痛みに慣れる生き物である。
赤字も同じではじめは辛い。だが次第に慣れてしまう。
赤字を出すことを仕方ないと言い訳する経営者にならないよう、強い心で経営して頂きたい。
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日々、大勢の社長とお話しさせて頂いております。平均すれば毎日一人以上の社長とお話ししている計算になるでしょうか。社長から伺うお話はとても面白いことが多いです。時にはfun(楽しい)という意味での面白さもございますが、大抵はinteresting(興味深い、好奇心を刺激される)という意味での面白さを感じています。
赤字という深い沼
以前にもこの場で書かせて頂いたことですが、マエサワ税理士法人の顧問先様550社のうち70%を超える顧問先様が黒字となっております。日本全体でみれば黒字割合は40%に満たないですから、社長の皆様には日々の経営をしっかりされていると思うのと同時に、顧問先社長の皆様が「人一倍儲けなければならない」と心底から思っていらっしゃることの証左であると強く感じます。
赤字になってもすぐには会社は潰れません。逆に黒字であっても倒産してしまうこともあります。いわゆる黒字倒産です。黒字倒産は資金繰りの行き詰まりが原因です。要はお金が回りさえすれば会社が倒産することはありません。ただし、一度赤字になってしまうと黒字転換は非常に厳しく、これが続けばいずれは倒産の憂き目にあうのは必至です。
例えば業界自体が斜陽産業となってしまうと今後が厳しいのは目に見えています。何か新しいことを、あるいは付加価値のある製品・サービスを生み出さなければ生き残れませんが、これはそう簡単にできるものではありません。
実際に赤字になると資金繰りも厳しいものになってきます。赤字自体がキャッシュフローを悪化させている上、通常は借入金の返済も抱えているわけで二重にキャッシュフローを悪化させてしまいます。これが経営者に重くのしかかってきます。
こうなると本来、『何か新しいこと』や『今以上に付加価値のある製品やサービスを創る』ことに頭を回さなければならないのに、もはや資金調達にしか頭が行かなくなります。経営から考えれば本末転倒なのですが、会社が正常な状態でなくなっているのでこういった社長はその見極めもできなくなります。
この症状が進んでくると、今日をいかに生きていくか、しかなくなってきます。これでは黒字化などは夢のまた夢です。だからこそこうなる前に、つまり黒字の間に赤字にならない手を次々に打っていく必要があります。そして万一、赤字を作ったとしたら是が非でも翌期は黒字転換に邁進することです。
粗利益率・利幅あっての売上という意識
先日、10年ぶりくらいにある顧問先様のところへ伺い、社長とお話しさせて頂きました。10年前は私自身がこの顧問先様の担当でした。リーマンショック後の不景気を被っていたこともあり、業績は一進一退。とはいえ、黒字は問題ない程度には出ておりましたし、自己資本比率も30%は超えていた状況でした。しいて言えば利益率が高くないことが課題でした。
そしてこの顧問先様も先のコロナ禍の1年目は過去最悪の業績となり赤字転落してしまいました。ただコロナ禍2年目には国の施策などもあり黒字転換しました。この時に社長は改めて自社の商売について考えられたそうです。
うちの業界は総じて利幅が狭い。こんなことをしていては売上を少々増やしても儲けが増えず、給料も増やせない。徹底的に利幅改善をしていこう、と。
社内では社長が社員に対し利幅を上げていかなくてはやっていけないというマインドを植え付けていきました。そして社長自身もトップ営業で売価を上げていきました。値上げしたことで顧客をロスすることもあったそうですが、そこも止む無しと業界の安値競争からは一歩距離を置いて事業を進めていきました。
コロナ禍後に値上げを行うこと自体がある程度認められる雰囲気になったこともあり、コロナ禍前の業績を凌駕していきました。観光立国になるかと思われる日本において、アウトバウンドからインバウンドへの環境変化にも見事についていかれ、インバウンド業務の売上を伸ばしていくことに成功しました。もちろん粗利益率も保っての売上増加です。
別の顧問先様では今まさに、売上を伸ばしていくか、利益を追いかけていくかで悩まれている社長がいらっしゃいます。卸売業と加工業を営んでいる会社ですが、卸売業の方はとにかく仕入値の値上げにより粗利益率がほとんど取れていない状況です。一方で加工業の方は粗利益率がしっかり取れております。
社長はこれまでも売上を伸ばせるチャンスがあれば伸ばしてきたから、今も売上を伸ばすチャレンジをしたいとおっしゃっています。ただここでいう伸ばす売上は卸売業の売上です。こちらの売上をいくら伸ばしても粗利益はほとんど残らず骨折り損のくたびれ儲けになりかねません。
厳しい状況でも粗利益がしっかり取れる事業を少しずつでも拡大していったほうがこの会社が生き残る可能性は高いと私は考えています。これからの中小企業は売上を追うよりも利益を追っていかなければならないと思います。それは今後の日本経済が停滞する公算が高いからです。
経営者の方々のお話が興味深いのは、それぞれが真剣に儲けを志向されていることを感じるからだと思っております。商売ですからうまくいくこともいかないこともあるでしょう。それぞれの顧問先様が経営上様々な局面に立たされている中、マエサワ税理士法人並びに職員一同、顧問先様が事業で儲けることに目を向け、様々なご提案をしてまいります。お客様の儲けなくして我々は存在しえないという決意で臨んでゆきます。引き続きどうぞ宜しくお願い致します。