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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第214号] 「貯められる」社長
2025年9月10日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の214】
『儲けのサイクルと意識付け』
儲けること、使えるお金を貯めること、次世代にお金を遺すこと。
このどれもが資本主義を表した行動であり、我々経営者の使命である。
「稼ぐ・貯める・遺す」の三拍子を日々口ずさみ、習慣となるよう身体に染み込ませて頂きたい。
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経営者として王道の貯め方
経営とは「儲けて、貯めて、遺す」ことにあるように思います。
そしてマエサワ税理士法人の顧問先様の黒字率は7割を超えております。「儲ける」部分について素晴らしい経営をされている社長ばかりです。
まずは儲けられなければ会社も生き残れませんし、社員もやがて辞めていくことになります。そこをある程度クリアしてくると次は「貯める」ことが重要になってきます。そのためにはしっかり納税していくことが必要です。
このメールマガジン内でも幾度となく「無理な節税をしようとすると、かえってキャッシュフローが悪化することがある」と述べて参りました。巷で節税といわれている方法であっても単なる課税の繰り延べにすぎないものもあります。
もちろん本当の意味で節税できる方法はありますし、マエサワ税理士法人職員も節税のご提案をさせて頂いております。こういった意味のある節税は当然するとしてですが、稼いだ儲けに対する法人税30%を納税することが、実は貯めることの第一歩に繋がります。
つまり30%の法人税をいかに減らすかを考えるよりも、30%の法人税を納税した後に残る70%をいかに増やすかを考えた方が会社や社員の成長に繋がるように思います。つまり全体の儲けをさらに増やすことを考えた方がいいということです。
ある顧問先様社長とお話ししました。
この会社は労働集約的な事業をされております。自己資本比率はほぼ90%という、非常に高い比率を誇っています。コロナ禍でも成長し続け利益を積み重ねた結果です。それ相応の現預金があるため、金融機関からもこれだけ現預金があるならM&Aなどで事業拡大されてはいかがですか、と言われるくらいです。
ただ社長は、「コロナ禍1年目で数億の赤字を出してしまいました。これが数年続けば今持っている現預金なんか吹っ飛んでしまいます。うちのような労働集約的な事業をしている会社では会社に財産らしい財産もないから現預金が全てなのです。見た目には多くの現預金があるように見えますが、現預金以外にめぼしい財産のない当社ではひとつ躓けばあっという間に現預金を失います。」とおっしゃっていました。
調子が良い時でも危機を見据えた立ち回りを
上場会社であれば増収増益が必須です。余剰資金があれば新たな事業へ投入されることが普通でしょう。お金をそのままにしていてもせいぜい利息収入を生むだけですので、成長事業へ投資していくわけです。
しかし一般的に、中小企業は上場会社に比べて圧倒的に資金力が劣ります。上場会社であれば一度や二度の失敗は失敗のうちに入らない程度の資金力がありますが、中小企業では勝負をかけた投資が失敗すれば、たちまち倒産の危機を迎えることになります。
また最近では経営に重大な影響を与える事象が頻発しております。最近ではコロナ禍がそうでした。経済が1年以上完全にストップしてしまいました。その10年ほど前には東日本大震災がありました。さらにその少し前にはリーマンショック。これらはすべて世界、あるいは日本全体に大きな影響を与えた事象です。リーマンショックは人災の部分があるものの、これら3つの事象は我々ではどうしようもないことに違いはありません。
自社の責めではないところで10年に1回以上の頻度で経営危機にさらされているのが、今の外部経営環境です。
そこにさらに自社の属する業界の浮き沈み、自社自身の浮き沈みを考えたら経営を安定的に成長させていくことの困難さは尋常ではありません。こういった経験を積まれたからこその、先ほどの社長の言葉なのだと思います。
傍目から見ればそんなに資金を蓄えてどうするんだ、という見方もあるかもしれません。実際に新事業開拓をされる社長もいらっしゃるでしょう。どちらが正しいということではありません。それこそそれぞれの社長の哲学で決まるのだと思います。
それはそれとして先ほどの社長の信念を貫き通す姿には惚れ惚れとします。この会社は20年以上変わらぬ賃貸オフィスに入っていらっしゃいますが、社内は整然としており、社員の皆様はキビキビと動かれています。決して派手さはありませんが、損をするようなことはされません。
一方で、社長の考えと違った動きをしようとする社員がいても、それが儲けに繋がるのであれば自由に動くことを是とする会社であり社長です。
先日お会いしたのが久方ぶりでしたが、様々なご苦労をされたことと思います。こういった信念を強く持った社長の皆様とお話しできることは私にとっても非常な刺激になりますし、自分もそうでなければならないと常に考えさせられます。
本日は「貯めて」いる社長のお話を書かせて頂きました。ご参考になれば幸いです。