マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

ステークホルダーとの関係性について

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第221号] ステークホルダーとの関係性について 

2025年12月17日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の221】

『稼ぎづらい環境下でいかに稼ぐか』


円安、インフレ、利上げと企業においては引き続き稼ぎづらい環境が続いている。

外部環境の変化による悪影響はジワリジワリと企業を蝕み、対応が遅れるほどに利益と資金が奪われてしまう。

元に戻ることを祈って耐え凌ぐのではなく、中長期的な資金繰りを見直した上で、いかに変化した環境下で儲けるか?を考え、勝ち組に入り込めるよう舵取りをして頂きたい。

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先日、ある顧問先社長と1時間半ほどお話をさせて頂きました。 こちらの顧問先様では土地を仕入れ、その土地に建物を建て、物件を売るいわゆる住宅屋さんを生業にされております。

良い人間関係の積み重ねが高い品質を支える

社長は40年の長きに渡り、社員のみならず建物を建てる下職さんや不動産販売店などさまざまな取引先と共に歩んでこられました。私からすれば社長は年齢的にも人生経験においても大先輩になるのですが、不思議なことに(また大変失礼ながら)社長は人懐っこく、会話に引き込まれてしまうところがございます。

こちらの会社では毎年、暑気払いと忘年会が開催されております。ちなみに忘年会は「望年会」として開催されております。来る年を望む会ということです。暑気払い、望年会ともに、普段からこちらの会社がお世話になっている下職さんやハウスメーカーさん、その他関係取引先が一堂に会されております。

望年会は一通りのご挨拶が終わるとしばしご歓談ということになりますが、その直後から社長の席には社長へご挨拶するため多くの方々がお酒を注ぎにいらっしゃいます。社長は齢70を超えていますが、皆様から注がれたお酒は必ず飲み干し、一人一人の方と実に丁寧に、かといって固い感じもなく、穏和な雰囲気でお話しされます。望年会に来て頂いた皆様にこの時間を楽しんでもらいたい、という気持ちで溢れています。

この社長がいるからこそ下職さんをはじめとする皆様がこの社長について来るということが実感できます。いい意味で「ザ・昭和」な集まりです。みんなで集まってワイワイやるような懇親会はコロナ禍に見舞われてからめっきり減りました。「望年会」はドライな風潮の令和ではあまり見られなくなったウェットな会といえます。

社長はこの時代だからこそ敢えてこのウェットさが大事だとおっしゃいます。この会社では下職さんなしでは建物を建てることはできません。夏には40度近くまで気温が上昇し、冬は冬で寒さが堪える野外での仕事に従事されているのがまさに下職さんです。

悪い気持ちが起きれば手抜きをしてしまいそうなところを、社長が工事物件を頻繁に見て回られるため、手抜きなどできません。また、いつも顔なじみの下職さんたちが集まる現場ばかりなので、自分だけさぼっているとまわりの下職さんに気づかれてしまいます。

これが建物の品質向上に大きく貢献しています。今となっては下職さんには手を抜く気持ちなどありません。だからこそこの会社の建てる建物の品質は高く維持されているのです。もし下職さん同士の阿吽の呼吸がなければ、品質維持は難しかったと社長はお話しされます。新しい下職さんに外注すれば、見た目は似た建物を建てることはできるでしょう。しかし、いつもの下職さんの仕事と比較すれば見えない部分の手抜きもあるかもしれませんし、仕事の進捗速度も悪くなるだろうと言います。


二極化の上に入り込むために求められる対応力

働き方改革もあり残業もままならないので、工期が全般的に伸びており、結果として今までのような棟数を建築できなくなり、下職さんの給料にも影響が出ているそうです。釘一本からあらゆる材料が値上げしており、さらに土地高騰で仕入原価高にも見舞われています。

これは建築業界に限ったことではなく、日本のあらゆる業種業態で起きていることです。確実に日本という国では稼ぎづらくなっております。とはいえほとんどの会社は海外へ事業拠点を移すことが困難です。ですから稼ぎづらくなっても日本という国で稼いでいくしかありません。いつの時代も勝ち組、負け組の二極化という話が出てまいりますが、これからは負ければ市場から退出しなければならないくらいの負けに、そのかわり勝ち組に入れば金銭的にはかなり裕福な勝ちになるくらいの極端な二極化が進むでしょう。

経営に対する本質的な考え方は変えてはなりませんが、環境変化へどれだけ感度高く対応できるかが重要で、これからの経営者には今まで以上にその対応力を求められます。よい商品とよいお客様とそしてそれらをよく理解している社員、これをいかに創り上げていくか、経営者がこれから10年かけてやっていかなければならないところです。

さて、今年も残り2週間を残すところとなりました。メールマガジンも2週間に一度というペースでしたがなんとかお届けすることができました。お会いした社長の皆様に「メールマガジン、読んでるよ」とおっしゃって頂くたびに恐縮至極で、改めてしっかり書かなければと強く思います。

来年も元旦からメールマガジンを送らせて頂きます。駄文になることも多々あり、また意図せず読んで頂くのに不快な文章となってしまうことがありますが、皆様の広い心でお許し頂ければ幸甚です。1年間、お付き合い頂きましてありがとうございました。また2026年もマエサワ税理士法人と職員一同を宜しくお願い申し上げます。