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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第29号] 変化を恐れない者が儲け続ける
2018年08月15日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の29】
『自らの想いを社員に伝え続ける』
社長の想いや考えが社員に伝わってこそ、
社長の掲げる理想や施作に皆がついてきてくれる。
時に社員との温度差を感じようとも繰り返し伝え続け、
皆と共にその想いを実行に移すことが儲けを生み出す。
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こんにちは、マエサワ税理士法人理事長の前沢寿博です。
我々マエサワ税理士法人では、通常の月次監査を基本とし、その上で別途 顧問先様と共に検討の時間を設けることを「会議」と称しております。
今回は、「会議」の目的や、その目的を達成するための第一歩についてお話しします。
オーダーメイドの会議内容
一口に「会議」と言ってもその内容は顧問先様ごとに異なります。会議に参加される方の職制や、人数も異なります。その顧問先様に最も役立つと思われる内容、参加者、人数で会議を行っています。会議の様式はすべてオーダーメイドです。
営業会議にマエサワ担当者が参加させていただくケースでは、社長・幹部・各部門長とともに財務諸表から見た経営上の課題を中心に検討を深めていきます。
事業承継がテーマとなる場合は、現社長と我々、あるいは後継者を含めてじっくと話し合うことが多くなります。
事業再編など時間的な制約があるケースでは、毎週のように会議を重ねることもございます。
いずれの会議も詰まる所、長期的視点に立って『いかに儲け続けていく体制を作っていくか』が最大の目的です。
私はこうした「会議」をマエサワ税理士法人のお役立ちの重要な柱と考えております。マエサワ税理士法人の存在意義と申し上げても過言ではありません。
「いかに儲け続けていく体制を作っていくか」のために
私自身、このような会議に多く出席させて頂いておりますが、そこで感じるのが社長と社長以外の方々の温度差です。
社長としては「今のままでは将来経営が危うくなるかもしれない」という危機感を抱いているにもかかわらず、その危機感が幹部の方々に共有されていない場合がございます。
また、会議を行っていくうちに、ある面については厳しい現実、問題点が明らかになっていくことも少なくありません。
これらの状況において、財務数値を取り纏めている経理担当者の方や叩き上げの役員の方々からは煙たがれる場合もございます。
「数字の管理は自分がしっかりやっているのだから、それに対して余計なことを言わないでほしい」「商売のことを何も知らない税理士に何を教わることがあるのか」といったところでしょうか。そのお気持ちは十分にわかりますし、逆の立場であれば私もそういった意見を持つかもしれません。
それでも、先に述べた通り我々の目的は『いかに儲け続けていく体制を作っていくか』です。
そのために現状の数値を正確に把握し、外部からの視点で会社の状況を俯瞰的に評価していきます。
毎期利益を計上しているA社において、実際にあった事例をお話しします。
損益計算書を精査すると、売上高の中に不動産収入が含まれていることが判明しました。
「売上高」には本来、本業で稼いできたものが計上されます。しかし本業ではない収入、すなわち不動産収入が含まれていたのです。
これでは営業利益は本業によるものなのか、不動産収入によるものなのか知ることはできません。
そこで我々は本業以外の売上、原価を【営業外損益】の区分に表示するように組換を行います。そうすれば本業で稼ぎ出した利益が出てきて、会社本来の営業利益が見られるからです。
この組換後の損益推移表は、社長自身がイメージしている実態と合致していました。「やはりこのままではまずい、早期に手を打たなければ」という方向に社長の考えが向かいます。
しかし、経理の方からすると、「会社のやり方として不動産収入も売上に入れているのだから何も問題はないのに、なぜ損益推移表の作りを変えてしまうのか?」といったところにわだかまりが残ります。そうなると、「本業の儲けを出すためにどうすればいいのか」というところに考えが至らなくなってしまいます。
現場の方からも、「うちの商売のことを知らないのに、なぜ部外者のあなた方に言われなくてはならないのか」と感じ、やはり本来の問題に目を背けてしまいます。
その商売自体については素人もいいところ、だけれど…
我々は悪いところを指摘して、「どうだ、悪いところを見つけたぞ、すごいだろう」などというつもりは勿論ありません。会社の商売について話そうとしても、現場の方にかなう訳がありません。
顧問先様の商売について、我々は素人もいいところです。こちらの話し方や説明をよほど注意しないと、社長以外の会議に出席されている会社の方々には上記のような感情を持たれてしまい、なかなか会議の効果が出てこない場合があります。
人に様々な考えや想いを伝えるというのは、難しいことです。いくら価値がある提案だったとしてもそれを相手が理解し、実行し、現実に儲けに繋げて頂かなくては、我々も仕事をしたことにはなりません。人は感情を持っていることを汲み取った上で、伝える側は器を大きくして話していかなくてはならないのでしょう。
社長自ら社員に向けて、伝え続ける
同じことは社長にも言えると思っています。「会社のために、こういう戦略を実行しよう!」と幹部の方々に言っても、なかなか動いてくれない時もあるでしょう。さらに、幹部の方々が動いても現場の最前線の方々にはその考えが伝わらず、結果がなかなか出てこないことも少なくありません。
結局は、社長の考えを普段から何度も何度も、手を変え、品を変え、言葉を変えて繰り返し伝えていくことが大切なのだと思います。マエサワ税理士法人でも毎週月曜午前中に必ず研修をしております。ここで扱うのは、税制改正や会計についての話ではありません。あくまで実務の資料を参考にしながら、「経営者目線でどのような提案をしていくのか」の考え方を繰り返し職員に話しております。
社長の想いを伝えることが、儲けを出すための第一歩
顧問先の皆様と我々とで行う会議に参加される幹部の方々は、“社長の考えを理解し、それを実践できるだろう”と見込まれている方々です。それでも社長と社長以外の方の間には温度差があります。
社長は全責任を負う訳ですから社長以外の方と温度差があって然るべきとは思いますが、一方でこの温度差ばかりはいかんともし難いというのが率直な感想です。
起きている時間はほぼ経営のことしか考えていないのが社長という職業だと思います。その社長が今すぐにやらなければと考えても、なかなかまわりの人達はついてきてくれないこともあります。社長としては気を揉むところでしょう。
結局は動いてもらうためにはやはり何度も何度も社長の想いを社員の方々に擦り込んでいく、これしかないのだと思います。
そして実行に移して結果、つまり儲けを出すこと、そしてそれを社員に還元していくことが社長の仕事なのだと思います。
最後になりますが、9月1日(土)にマエサワ税理士法人の入居している西新宿三井ビルディング2階にて13時より事業承継セミナーが執り行われます。20名先着とさせて頂いておりますので、ご都合が宜しければ、是非お待ち申し上げております。
8月分の顧問料請求書にセミナーの申込書を同封させて頂いておりますので、電話・FAX・メールで御申し込み頂けますし、マエサワ担当者にお伝え頂いても結構です。
こちらの方もどうぞ宜しくお願い致します。