マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

質の領域の拡大・実践戦闘シンポジウム

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第37号] 質の領域の拡大・実践戦闘シンポジウム

2018年12月5日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の37】

『儲けへのアプローチ』

相手のニーズに応えお金を稼ぐ、これは商売の基本である。
求められる最低限の仕事とは別に、いかなる付加価値を提供できるかで自社の特長が育まれ、儲けを伸ばすことができるだろう。
他社の良い点は謙虚にそして貪欲に取り入れ、自社の儲けの手法を磨いていくことが重要だ。
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つい先日、12月1日に有志の税理士が集まり「質の領域の拡大・実践戦闘シンポジウム」という会議が開催されました。2か月に一度、このように税理士有志が集まり、弊社会長の前沢を講師として事務所経営について考える場を設けています。平成6年に発足し、実に25年近く続いています。今回は1年間の総決算として各事務所のトップが熱く議論を交わしました。

同じ業種でも”儲けへのアプローチ”は千差万別

会議では各事務所のトップが自事務所の一年間を振り返り、あるいはこの一年で事務所に起きた印象的な出来事をお話され、それについて他の事務所トップが質問をする形式で進んでいきます。
 この1年で起きた事例を細かくお話された税理士、自事務所の売上、粗利益を赤裸々に公表された税理士(当然、年々数字が伸びておりました)、これまでやってこられた事案を時系列で並べて説明された税理士などなど発表の仕方も千差万別です。

 我々は会計事務所といえども中小企業の一社です。普段顧問先の社長と経営のお話をさせて頂いておりますが、私自身も事務所の長であり、中小企業の経営者に他なりません。
 そういう意味でも、私が他の税理士の事務所経営を聞くということは非常に貴重な機会です。

 どの事務所トップも「儲け」たいと思っているのは中小企業の社長として当然です。しかしその「儲け」方については各事務所のトップによってアプローチが全く異なります。
 10年前の私であれば「他の税理士事務所がどんな儲け方をしていても、うちはうち。関係ない。」と考えておりました。非常に傲慢だったと思います。

 儲けの上手な社長はどんな人の話もまずは聞きます。そういう意味では非常に謙虚です。一度聞いた上で「意味がない」と判断すれば、スパッと切ります(こちらが切られたことが分からないくらいです)。そして「聞いて損がないぞ」と思えばその人を重用し、情報収集したり判断に迷われた際にそういった人の話を聞いて、自分の判断が最善なのかどうかを確認されます。

自分のやりたい仕事をやる、ではなく相手のニーズに応えること

非常に興味深かったのは、何人かの税理士が「自分たちが楽しいと思える仕事をしていれば、ストレスにもならず、苦なく仕事を続けられる」といった趣旨の話をされていたことです。

確かに、総合的に考えれば異論はありません。顧問先の事業の成長を喜びと感じる点においては、私も同様です。それに自分が得意とするところだけを、それを求めている顧問先に対して提供できれば、そしてそれを顧問先に認めて頂き報酬をしっかり頂けるのであれば、これは最高な話です。

 しかし現実には顧問先のニーズは必ずしも自分の得意分野に限定されません。たとえば相続税が得意だと思っている税理士がいて、彼が相続税に関わる仕事だけを受注していたとしたら、彼に相続税以外の仕事はできません。そしてなにより、企業経営者のニーズのほんの一部にしか応えることはできません。

 マエサワ税理士法人は法人契約を顧問契約の主としております。しかし長期的包括的顧問契約をさせて頂いている時点で、法人のみならず経営者たる社長個人、また社長のご家族の方々などとの関わりを持たせて頂いております。
 
ですからマエサワ税理士法人はこれからも会社の会計・経理だけでなく、会社の経営全般に深く携わらせて頂き、その中で多面的な角度から、社長のお役に立つ提案をしていかなければなりません。改めて今回の会議に出席し、様々な税理士の話を聞く中で自分自身の目指す将来像の確認ができました。

私は自分が得意とする領域に限定せず、顧問先の儲けに貢献できる業務をあらゆる側面からお手伝いしたいと考えます。それは決して簡単なことではありません。しかし精神的に追い込まれた仕事というのは後になって非常に役立ちます。率先してやりたいとまでは思えませんが、トップとしてやらざるを得ない部分があります。そういう仕事は必ず自分の成長を促してくれている、と感じます。

 もし自分のやりたい仕事だけをやっていれば技術のみならず、心の成長も難しいように思います。できればやりたくないけども避けられない仕事(あるいはトップがやるしかない仕事)が確実に自分の心を鍛えてくれます。結果として自分の仕事の幅も広げてくれると感じます。
 

どのように儲けているのか?同業他社にも目を向けましょう

不動産に造詣の深い税理士からは、相続にあたって土地をどのようにして高い価値を持たせて売却し相続税の納税資金とするかといった専門的な話や、記帳代行には時間をかけず社長に役立つ提案をするための時間をいかに確保するか、といった話がでました。

 専門的な話になるとどの税理士も非常に興味深い話をされていました。一口に税理士といっても本当に様々な税理士がいるものです。自分も税理士ではありますが改めてそう感じました。同業者がどんなことをしているか大まかには理解しておりますが、実際に儲けの出ている事務所とそうでない事務所で何が違うかということはその事務所に行ってみたり、経営者自身から本音の話を聞けないとわかりません。

 会社経営されている社長の皆様も、全く同じなのだと思います。業界のことはよくわかっていても、実際に同業他社がどんな経営スタイルなのか、どんな考え方をしているのか、ということをあまりよく知らない、ということはよくあることです。

 マエサワ税理士法人は岡目八目、さまざまな業界の経営を見てきておりますので、そういったお話もこれまでと同様にさせて頂き、少しでも社長のお役に立てればと考えておりますので、どうぞ引き続き宜しくお願い致します。