マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

実りある会議にするために

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第55号]実りある会議にするために

2019年8月14日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の55】

『経営会議で伝えたいこと』

永続的に儲ける、経営者であれば誰もが望むことであり、皆がそれに向けて経営努力をしているはずだ。
ところが現実はそう上手くいかない。外部内部様々な要因により赤字から抜け出せなくなることもある。儲けが思うように伸びないこともある。
経営者は赤字であるほど孤独を感じるものだが、寄り添いたいと思う人間がここにいることを忘れないでほしい。

もちろん1人で考えることも大事だろう。だがブレーンを増やして会議を行うことで見える道もあるだろう。
忘れてはならないのは、改善策以上に「経営者の儲けへの思考」が大事であるということだ。
会社の明日を照らす具体案が会議で生み出せたとしても、描いた絵を実行するのは社長である。
その社長の思考が儲けと離れる思考をされているようでは、いつまで経っても会社の腹は膨れないことには留意せねばならない。
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マエサワ税理士法人では、ご契約を頂き「経営会議」を行っている顧問先様がいらっしゃいます。
どうしても月々の巡回監査の時間だけでは解決しきれないご相談事項を、別日で、ときには別の担当者が担当となり、顧問先様それぞれが抱えていらっしゃる問題点の解決を目指します。
業績向上以外にも、事業承継、相続、再建など顧問先様ごとに様々ですが、本日はその中でも業績向上の会議についてお話をします。

黒字にしましょう!儲けを貯めましょう!に繋がる会議

経営会議の場で社長がお聞きになりたいのは、理想論やあるべき論ではなく、「具体的にどうやったらうちの会社は儲かるの?」ではないでしょうか。
ですから「どうやって儲けますか?」というような話を我々は常に意識しております。

実際の会議においては「あと粗利益率を何%伸ばすことができれば、同じ売上でもこれだけの経常利益が増加します。そのために不採算商品の販売を中止した場合のシミュレーションをしてみましょう。」ですとか「粗利益率が異常に低い大口の取引先がありますが、この取引先との取引をやめたら、経営上どんな影響があるか検討してみましょう。」などを会社ごとに実際の数字を用いた資料を使いつつ、非常に具体的な話をします。

そしてシミュレーションをして取引縮小等による資金繰りなどの悪化も考慮した上で、なんとか粗利益率が上がりそうであれば、シミュレーションした案件を社長が実行に移すことになります。結果は利益にも資金繰りにも影響を与えるので、我々も非常に緊張感を持っております。結果が描いた通りになれば最高ですが、仮にそうならなかった場合には、なぜ結果が思うようにならなかったのか、原因を明らかにすることが非常に重要です。原因を明らかにした上でその改善策を見つけていきます。

会議で検討したことを実行した上でその結果を検証し、結果が不十分であればまた改善策を練り、実施していく…儲けへの道はこの繰り返しです。

儲けるための考え方=「経営者思考」を共有する

会議をしている以上、結果を強く求めていくのは当然です。そして、この会議には、より深い所に結果と同じくらい重要な意義がございます。結果としての儲けを出すのが最終目的であるのは間違いありません。しかし、それと同等に重要なことは、「社長が『より儲けられる考え方』を我々と共有するためのお手伝い」をすることではないかと考えております。

商売のこともろくにわからないあなたにそんなことを教えてもらおうとは思っていないよ、と社長の皆様にはお叱りを受けてしまうかもしれません。 もちろん、社長の皆様がされている商売について社長以上に私が熟知している訳がありません。しかし、我々は日々多くのお客様と接するため、様々な業種の他社情報を持っております。良い業績の会社もあれば、そうでない会社もあります。それぞれの会社の社長では経営、つまり儲けに対する考え方がまるで異なり、その中にはこれをお読みの社長のお役に立つ考え方や商売の話があるかもしれません。

儲けの上手な社長はいかに自分の会社の商品を高く売ろうかを考えます。しかしそうでない社長はいかにたくさんの商品を売ろうかを考えます。

いつも申し上げている
1.良い商品ですか?
2.良いお客様ですか?
3.1と2を良く理解している従業員ですか?
の3つが儲けのタネになってきます。
儲けるためには1.2.3.が必要な訳です。これをずらしてしまうと働けど儲からず、という事態に陥ります。

特に粗利益率が下落傾向にある顧問先様では、上述のとおり具体的な話を会議でしてまいりますが、その中で「儲けるために経営者としてどのような思考をしていった方がよいか」お話させて頂いています。いくら具体的改善策を練ったところで、仮に社長自身のお考えが儲けに対する考え方からずれているとすれば、やはり長期継続的に儲け続けることは困難ではないかと思うのです。

経営会議により、長期継続的に儲けることができる考え方を社長と共有するということが、実は一番の目的なのかもしれません。

これからも経営会議により、社長と長期継続的に儲けて頂くための考え方を共有させて頂くとともに、なにより足元の数字を良くしていくことのお手伝いを実践してまいります。こうしていくことが顧問先様にとって実りある会議になるのだと我々は考えております。会議のための会議になっては元も子もありません。話し合いばかりで何も決まらない会議や報告だけの会議は時間の無駄ですし、業績向上にも結び付きません。

今後も実利のある会議を社長と共に実施していこうと思います。是非とも宜しくお願い致します。