マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

令和2年を振り返って

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第90号] 令和2年を振り返って

2020年12月16日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の90】

『黒字化、黒字の継続』

人は苦痛を受け続けると、いつしか適応しそれを感じなくなってきてしまう。
赤字も同じだ。はじめは身を切るような思いもうすれ、いつしかそれに慣れてしまう。

コロナという悪影響が収まれば、経済は必ず元に戻ろうと回り始める。
来年以降も引き続き、黒字に慣れる体質を目指して頂きたい。

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顧問先様で起きているさまざまなこと、世の中で起きている経営に関することについて共有させて頂くことで社長の皆様の経営にお役立ちできればと考え、始めさせて頂いたこのメールマガジンも90号となりました。この90号が令和2年中にお送りする最後のメールマガジンとなります。

コロナショックの総括

年末にあたり、令和2年を総括するとやはり「新型コロナウイルス感染症の蔓延」に尽きます。3月頃から急に感染が拡大し、東京では4月7日に緊急事態宣言が発出され、5月25日に解除されるまで、人の移動制限を余儀なくされました。その後、第二波、そして現在は第三波に見舞われており予断を許さない状況です。

この新型コロナウイルス感染症による経済に対する影響はこれからさらに大きくなると思われ、そういう意味で悪影響を受けていない業種はほとんどないというくらいです。直近ではホテル・旅館業、飲食業、陸運業、医業、エンターテイメントなどの業種が壊滅的な影響を受けております。

ただ1929年の世界恐慌以来、あるいはそれに匹敵するといわれる「新型コロナウイルス感染症」に伴う経済への影響はこれからさらに拡大するものと思われます。緊急事態宣言が発出された4月以降、国も、個人に法人にと補助金・助成金を支給しました。まさか個人に給付金が支給されるとは思わず、驚いたことを覚えております。さらに国が制度融資として「コロナ融資」を行い、金融機関が迅速に融資を行ったことで急激に悪化する資金繰りの一助になったことは間違いありませんでした。

そのおかげもあってなのでしょうか。日経平均株価は一度は落ち込んだものの持ち直し、現状ではむしろ上昇傾向にあります。令和2年のGDPは間違いなく前年に比べて落ちているのでしょうけども、とにもかくにも国が上記のとおり様々な形で資金注入したことで今のところは持ち堪えているというのが実態かもしれません。

アフターコロナを見据えて

問題は今後です。国も地方公共団体も出せる資金は出してしまっているので、これからの会社経営は自助努力でやっていくしかありません。まずは今発生している赤字をいかに早いタイミングで黒字化させるか、になってきます。

コロナ融資も据え置き期間がありますが、それが終われば返済が始まります。折り返し融資が期待できればよいのですが、それが叶わない場合には自己資金で返していくしかありません。そのためにも現状赤字になっているのであれば黒字化を急ぐ必要があります。勿論今の今は資金を回さなければならないので、とにかく売上を上げられるのであれば売上を積み上げていくという判断もありえます。

コロナ対応や東京オリンピック開催についての政府の対応を見ていると感じることがあります。第一波の時のように緊急事態宣言が発出されるようなことはなさそうです。そして東京オリンピックの令和3年実施についての中止や延期の判断も出ておりません。一方で、今月イギリスで世界初の新型コロナウイルスのワクチンを打ち始めました。日本でも報道によれば2億9000万回分のワクチン供給を確保したとのことです。国としては余剰資金がいよいよ底を尽き始め、今、再び経済を止めて倒産する企業が大量に出てしまえば、日本経済が破綻してしまうことになりかねません。一刻も早くワクチンを打つことでアフターコロナを迎え、経済を元に戻したいところでしょう。政府も薄氷を踏むような思いのはずです。

国も資金がないですから、経済が動き始めたら次は増税となってくるでしょう。とはいえ、法人税は世界中の国々が法人誘致をするために法人税率を下げている状況で日本だけが上げるというのは考えにくいです。そうなると所得税が…消費税が…相続税が…ということになるかもしれません。

いずれにしてもアフターコロナは個々の企業の自助努力抜きに生き抜くことはできません。
売上積み上げのための方策、ダウンサイジングによるコスト削減、金融機関との融資のための折衝などとにかく資金確保のために出来得ることをすべてやっていらっしゃるところだと思います。顧問先社長の方々は「もうこれ以上ない」というくらい考え、そして実行されています。

令和3年も厳しい経営環境になることが予想されます。できるだけ早くコロナ前の経済状態に戻ることを願ってやみません。

我々も社長に寄り添いつつ、知恵を出して、社長の儲けにつながる提案をしていくことを命題として来年もやってまいります。本年一年、メールマガジンをお読み頂きましてありがとうございました。
次号は令和3年元旦にお送り致します。