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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第152号] 厳しい将来を見据えた経営を考える
2023年5月3日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の152】
『先行き不透明な国で儲けるために』
経済的な観点から「日本の未来が明るいか?」と問われたとき、お世辞にも希望に溢れているとは言えないだろう。
昭和、平成、令和と時代の流れに合わせて人々の価値観は大きく変わっていった。少子化、高齢化、人口減少という社会現象もその変化が数字となって表れたものとも言える。
人は人を自分の手の届く範囲でしか守ることはできない。
良い商品、良い顧客、良い社員を維持し、自分と家族とそして従業員を経済的に守れる良き経営者となっていただきたい。
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3月15日に所得税の確定申告が終わったのも束の間、今は3月決算法人の決算申告で繁忙が続いております。3月決算法人の中には比較的規模の大きい会社が多いこと、そもそも3月を決算とする法人の数が多いことから、暦通りに休みがとりづらいのも我々の職業の特徴かもしれません。
さて、新型コロナウイルスの感染法上の分類が5月8日から「2類」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられます。再び蔓延するリスクはゼロではないにしても、ひとまず人の動きが活発化されるので、経済活動が活発になることは間違いないでしょう。
日本経済の停滞・後退が表面化してきている
今回のコロナ禍は経済的に世界中で大きな混乱を生み出しました。人々の動きはコロナの蔓延を阻止すべく政策的に厳しく抑制され、経済活動は極めて限定的にしか行われなくなりました。
その結果、特にコロナ7業種と呼ばれる業種、①運輸・航空機、バス、鉄道、②小売り・百貨店、③宿泊・ホテル、④飲食・レストラン、⑤娯楽、⑥医療・福祉、⑦生活関連・商業施設、では壊滅的打撃を受けました。
今、思い返すと2013年(平成25年)9月8日に2020年東京オリンピック・パラリンピック開催が決定しました。決定した後は下り坂になっている日本経済の起爆剤としてオリンピック開催が経済的にも大きく注目されました。
そんな中、2017年(平成29年)10月6日に衝撃的な記事が日本経済新聞に掲載されました。「大廃業時代の足音 中小「後継未定」127万社」という記事です。127万社の半分は黒字企業です。事業として優れているにもかかわらず世の中から消えてしまう会社がこれだけあるのだという内容でした。
いま、私が顧問先様の社長とお話していても、この記事を思い出すことがございます。実際に儲けている会社であっても、社長のお子様方は既に別の仕事で生計を立てており、安定収入が見込まれるため、敢えてそれを蹴って家業を継ぐ気になれない、などという話は枚挙に暇がありません。
私からすればとてももったいない話に聞こえてしまいます。自分で事業をしていれば、リスクも100%自分で被ることになりますが、うまくいけば金銭的に恵まれる可能性も高く、事業展開を自分自身で考え、自分で如何様にも変えていくことができるからです。
日本を取り巻く環境を考えてみるとまずは少子高齢化、具体的には100年後の2120年には人口が5000万人を割ってくる可能性があり、高齢化が進むことで40年後に労働人口が現在より4割減少する可能性があります。
これでは経済活動が活発化するどころか、停滞してしまうでしょう。私はもうすぐ50歳になろうとしていますが、私の次の世代はどうやってこの状況に立ち向かっていけばいいのでしょうか。我々が直面している問題よりもはるかに厳しい問題を将来突きつけられることになるでしょう。
事業を続けるためには儲けることに尽きる
現在、マエサワ税理士法人の顧問先様の7割以上が黒字法人です。コロナ禍で赤字に転落した顧問先様もございましたが、コロナ禍が収まる兆しが見えている今、再び黒字化している顧問先様も増えてきました。
「類は友を呼ぶ」と何度となく申し上げてきましたが、マエサワ税理士法人の顧問先様の多くが黒字企業ですので、これを維持していくことこそが顧問先様を守ることに繋がり、ひいてはマエサワ税理士法人を守ることにもつながっていきます。
黒字化のためには生産性向上が必須です。政府も最低賃金を上げることで労働者の個人所得を増やそうと躍起になっています。これはその通りですし、企業努力でやっていかなければならないと思います。
ただ実際に黒字企業でなければ賃金を増やし続けるのはできませんので、そういう意味でこれができない企業は市場退出するしかない、ということなのでしょう。
結局は生産性向上=顧客の役に立つ=儲けを増やす、しかないのだと思います。そのためには①よい商品を創り出す、②よいお客様を創る、③よい商品とよいお客様をよく理解している社員を創る、ことが必要です。
よい商品とは我々にとってよい商品かどうかではなく、買って頂くお客様にとってよい商品かどうかです。よいお客様というのはたくさん買ってくれるお客ではなく、こちらの考えている適正な価格で買って頂けるお客様です。よい社員とはよい商品とよいお客様のとはなんぞやということをよくよく理解している社員のことです。
だからこそ商品開発は事業継続のためずっとやり続けれなければならないでしょうし、商品開発も顧客開拓も時代に合わせて変えていかなければならないでしょうし、社員に対しては自社がどのように考え、どのような方向性で動いていくか、を社長自らが訴え続けていかなければならないのだと思います。
いずれにしてもマエサワ税理士法人の顧問先様にこの先も黒字で隆々としていて頂かなくてはなりません。そのために我々が持っている能力をお客様に役立つ形にした上で、様々なご提案を今後もさせて頂く所存です。
マエサワ税理士法人と職員一同、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。