マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

webかリアルか???

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第159号] webかリアルか???

2023年8月9日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の159】

『顧客が求める商品・サービスに足り得ているのか? 』


これは経営者誰もが考えることだが、このとき自分が考える顧客満足を正解としてしまっていないかは気をつけたいものだ。

自分が思う”こうしたら良い”と、顧客が思う”こうあったら良い”がズレていればお金は稼げない。

自分事として捉えているつもりが、他人事の枠を出ていないということのないよう、時には俯瞰して物事を捉えて頂きたい。

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今年も税理士試験の季節がやってまいりました。今年の税理士試験は8月8日から10日までの3日間です。マエサワの職員の中にもこの日の試験に向けて、日々の仕事をしながら平日の夜あるいは土日の休みに専門学校へ通学したり、あるいは通信講座で勉強をし、通勤の時間を使って想定問題集の暗記をしていた者がおります。是非とも実力を出し切ってもらいたいと切に思います。

私自身が受験した時は誰も私に近づく人はいませんでした。完全に「怪しい人」だったからです。ぶつぶつ独り言のように暗記したものの復唱をしていました。声を掛けたら何をされるかわからないような雰囲気だったと思います。それくらい最後は必死だったと思いますし、今あれをもう一度やりなさい、と言われてもできそうにありません。自分自身に対する努力としてはあの時が最高だったと思います。

相手の身になって考え、行動すること

翻って、我々の仕事を考えますと、税務会計の知識を前提とした上で「社長といかに経営の話、もっと言うならば儲けに関わる、あるいは損を少なくするご提案をできるか」が求められます。

会計事務所だから税務会計の話さえできればいいのでは、と思われている経営者の方々は非常に多いです。そう思われるのは当然だと思います。しかし、経営者的視点は我々の業務に欠かせないものです。

職業柄、私は他の税理士が作成した決算申告書を目にすることがあります。見てみると「どうしてこんな決算書を作ってしまうのか」と思うことが少なくありません。「書類の数だけは合っている」という決算書です。

「社長にこうやってください」と指示されたとか、「出された資料を整理したらこうなっただけです」とかいろいろ言い訳はあるのでしょう。しかし、こうした違和感のある決算申告書に共通しているのは、「他人事で作っている」ということです。自分事で決算申告書を作ったならば、もっと違った形の決算申告書になったことでしょう。

税務当局から見たら、誤解を受けかねない処理をしてしまったり、事実関係をろくに確認せずに書類だけで処理したり、とにかく他人事の処理になっていることが多いようです。結果として「お粗末な決算申告書」が生まれています。

マエサワ税理士法人が他の会計事務所と違ってそんなに立派な決算申告書を作成しているのかと言われれば、100%ではないかもしれません。しかしながら毎月お邪魔させて頂き、社長とお話させて頂くことでマエサワ担当者は会社の課題点や改善点を把握しています。他人事な決算申告書にはなっていないはずです。

また多くの社長の中には事業の将来に対して漠然とした不安があります。とはいえそれを誰にでも相談できるかといえばそれは難しいでしょうし、仮に家族であっても、逆に家族だからこそ相談できないこともあるでしょう。

もちろん、マエサワ税理士法人は会計事務所ですから、税務会計を切り口とした助言をしていくのが本筋です。しかし全てを経済合理性のみに頼って決定するわけにはいかない場合もあるように感じます。基本的には経済合理性に基づいて行動しなければ経営はうまくいかないものです。感情が入ってしまうと人がついて来なくなってしまいますし、事業自体うまく回っていかなくなります。しかし時には感情の部分が問題になることもあり、そこはそこで上手にクリアしていかないと事業がうまくいかなくなる場合もあります。

相手が心を開いてくれる物言いや環境を作れているか

マエサワ税理士法人が月次監査で毎月社長にお会いする意味合いは、数字について社長と共有していくことももちろんでございますが、社長とお話しする中で、社長が何を考えていらっしゃるのか、何をされようとしているのかを知ることにあります。それを知ることができれば、税務会計の観点からどのようにしておいた方が将来優位に事が進むのか、あるいは事業の安定化を図れるのか、などをご提案できます。

そういった意味で、コロナ禍においても(顧問先様からお会いするのを控えたいとご依頼を受けた場合を除き)マエサワ税理士法人では原則として月次監査はコロナ禍前と同じように現場で社長にお会いする形を取らせて頂きました。

とはいえマエサワ税理士法人でもwebミーティングをかなり頻繁に行うようになりました。webミーティングでもある程度、意思疎通を図れる感覚になっております。ただ直接お会いしてひざを突き合わせて話すレベルにはいまだなり得ていません。

いろいろな考え方があるので、どれが正しくてどれが間違っているかはわかりませんが、現状の月次監査における直接面談とwebミーティングが同レベルであると言えるのだとしたら、それは経営、儲けに関わる部分について大した話をしていないことの証左だと私は考えています。

仕訳の処理だの請求書の話などは大した話ではありません。いくらでも気づけば直せますから。しかし社長が「○○に事業承継するのはやめた、××にする」「金融機関とこんな話をしたら、こんな提案をされた」「工場を建設予定だ」「会社を買収した」などという話を緊張感を持って話し合うことは、webミーティングではなかなか難しいのが現実です。

マエサワ税理士法人としてはwebミーティングについて必要に応じてもちろん使っていきます。今も相当増えていますし、実際に30分、1時間の話をして結論が出る事案について効率がいいのは事実です。

しかし答えを出すのに時間がかかるような事案や相談事項については、社長、あるいは役員幹部の皆様と顔を合わせて話をする方が、社長の真意を掴むことができる可能性が高く、また重要な事案についてお互いに齟齬が生じづらくなります。これが顧問先様、社長とマエサワ税理士法人との信頼関係を強固にしていく礎になるものと考えております。

もちろん中身のない話ばかりしては意味がありません。最終的には個別具体的にご提案をさせて頂き、結果にコミットしていくことが重要です。我々も自分への努力だけでなく、顧問先様への努力を惜しまずやっていく会計事務所であり続けますので、どうぞ宜しくお願い致します。

最後に、前回のマエサワ税理士法人の顧問料請求書に「相続相談」パンフレットを同封させて頂きました。社長やその周りにいらっしゃる方々から相続について困っている方がいらっしゃいました時には、マエサワ担当者までご連絡頂ければ幸いです。こちらもどうぞ宜しくお願い致します。