マエサワ税理士法人公式メールマガジン前沢寿博の「企業経営の王道」

儲けへの意識

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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」

[第169号] 儲けへの意識

2024年1月1日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の169】

『激変と二極化がますます進む2024年に 』

コロナ禍を経て、資本主義における勝ち組と負け組の差がより顕著になっていることを実感する。我々も儲けている会社との付き合いを広げ、なんとしても勝ち組に食い込みたいものだ。

資本主義下の経済社会で商売をするならば、儲けなければやっている意味がない。
赤字を作るボランティアをしたいのか?黒字を出して豊かになりたいのか?その舵を取るのは社長であるあなた自身だ。
本年も、儲けるぞ!という強い意志を持って、それを実践する経営者であって頂きたい。

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新年あけましておめでとうございます。マエサワ税理士法人並びに職員一同を本年も宜しくお願い致します。

黒字化を達成、継続する一年に

昨年はコロナ禍からようやく脱したかと思ったのも束の間、ロシアのウクライナ侵攻とそれに伴う円安ドル高の伸張、そして政府からは「値上げ」と「賃上げ」の掛け声と、企業経営にとってはこの数年と同様に難しい舵取りが求められた一年だったように感じます。

昨年も、多くの社長の皆様と経営についてお話をいたしました。普段から経営の話となれば険しい表情になる社長が、なお一層厳しい表情でお話される姿を多く拝見したように思います。社長の経営に対する厳しい姿勢、また異常事態における経営への本気度が垣間見える瞬間でした。

コロナ禍で人も物も動かない中、原価率の低減を目指して徹底的に物流倉庫の集約化を図り、システム化で配送ルートの効率化を図ることにより自社配送率を高め、さらに売価の値上げと仕入の見直しによっても原価率の低減に成功し、現在では損益分岐点売上が依然の80%程度まで下げてきた(儲けやすくなった)会社。

これまで硬直的だった組織を抜本的に再編成、年齢や勤務年数に関わりなく、リーダーシップを取れる人材を次々に部門長に抜擢し、さらに様々な部署に部署替えしていくことで部門長だけでなく、多くの社員が様々な能力を身につけ、残業時間を削減できただけでなく、考える力をつけ、会社の利益率アップにつながった会社。

業界としては成熟しているものの業界トップ10を目標に、本業では新工場建設を推し進めるとともに新たにEC事業へ参入し、あるいは本業である卸売事業だけでなく、新たに加工事業にも進出している会社。

コロナ禍では特に大きな痛手を受けたにも関わらず政府の助けも極めて少なかった旅客事業を営んでいる会社。この事業をされている社長も様々な試行錯誤を繰り返してアフターコロナとなったところでコロナ禍前の80%まで売上を回復させ、コロナ禍でコスト削減を行っていたことにより利益を計上しています。

その他の多くの顧問先様でも黒字を継続、あるいは赤字から脱却できた会社が多くございます。マエサワ税理士法人の顧問先様全体の7割以上が黒字だということがそれを物語っております。こういう時代にあって、この、顧問先様の黒字率の高さこそ会計事務所としての強さであることを再認識しております。

4社についてはアフターコロナにおいて黒字転換に成功、あるいは黒字継続ができておりますが、それぞれの経営者は本当に様々な施策を考えては実行し、そして失敗してということを繰り返されていました。人々が動かない中でできる施策はそう多くなかったと思います。それでも何かを変えなくてはならないと、考えることを決して諦めない社長がいらっしゃいました。

金融機関からの融資で急場をしのいだものの、その借入がのちの経営の負担につながるのは当然のことです。ただ、そうした不安を社員におくびにも出さない姿はなかなか真似のできないことだと感じました。

”良い顧客”との付き合いを増やしていく

昨年一年はあらゆるものの価格が大幅に上昇しました。これからもこの流れは続くものと思われます。

そんな中で一番重要なことは値上げをすることです。一般論でいえば価値が変わっていないモノの値上げを無理に行えば販売数量に悪影響を与えかねません。しかし全ての業界で物価上昇の影響を受けているのは間違いのない事実です。

ここで値上げできなければ原価だけ上昇していき、当然に利益率は下がってしまいます。もちろん付加価値の高い商品を創っていくことは今後も変わらず必要ではありますが、現状、外部経営環境の変化により被った原価上昇分を販売価格に転嫁できなければ、この先、生き残ることは厳しくなります。こちらが適正だと考える価格を理解し、きちんと支払をしてくれる良い顧客を増やしましょう。

またこういう状況で心配なのが、債権の貸し倒れです。特にコロナ禍で財務が傷んでいる時には売上が欲しくなります。新規取引先開拓は極めて重要ですが、信用情報や業界のうわさなど可能な限り情報を入手し、付き合っていい取引先なのか、だめなのか、を判断しなければなりません。

そして債権回収については期日をしっかり守ってお支払い頂くことが第一です。督促等を怠っていると取引先からの支払いがより遅くなり、場合によっては回収できなくなります。貸し倒れになれば売上がゼロになるだけでなく、引き渡した商品、サービスの分もマイナスになります。

今後は今まで以上に「適正な価格で売る(値上げをする)」、「回収期日までに資金を回収する」、「新規取引先との口座を開くか否かについてはできる限りの情報を収集し、適切な判断を行う」ことが重要です。

本年も今まで以上に経営に関する部分で顧問先様のお役立ちに寄与できるよう、職員一同取り組んでまいりますので、昨年にも増してどうぞ宜しくお願い致します。