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マエサワ税理士法人
前沢寿博の「企業経営の王道」
[第228号] 世界経済と中小企業の関係性
2026年3月25日 配信
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【マエサワ税理士法人 経営の哲学 其の228】
『変化を儲けに変える経営者であれ』
時代の変化、政策の変化、法律の変化。経済社会では日々新しい波が押し寄せる。
変わることはストレスであり、文句のひとつも言いたくなるだろう。
それをグッと飲み込み「ではここからどう儲けようか」と考え、行動に移せるかどうか。
ここが、荒波を乗り切る経営者と沈む経営者の分岐点にもなるだろう。
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世界経済の変化と日本の立ち位置
先日、高市首相とトランプ大統領との首脳会談がございました。改めて申し上げるまでもなく、アメリカが日本に与える影響力は、安全保障・経済の両面で極めて甚大であり、日本の国家運営を左右する大きな要因となっています。
トランプ大統領は昨年、いわゆるトランプ関税を発動し、世界中の経済にショックを与えました。そして今年に入って、首脳会談前にアメリカはイランを攻撃しました。これも原油高という形で経済に影響を与えています。
コロナ禍を過ぎるところまでは、経済活動は世界中ボーダレスで自由に行われていましたが、昨年のトランプ関税を筆頭にここにきて国主導型の経済活動となる兆しが見えてきているように思えます。
今のところ、アメリカを経済力で上回る国はなさそうです。中国も経済発展しており、アメリカに次ぐ世界第2位のGDPとなっておりますが、1人当たりGDPとなるとまだまだ低いですし、カントリーリスクが高く多くの企業が投資を控えていることを考えるとまだまだ経済的にアメリカを追い越すのは難しいでしょう。
アメリカが他国と異なるのは、傍から見れば無茶なことを押し付けてきていると感じても、世界各国は最終的にはそれに応じざるをえない圧倒的な強さを持っていることです。良い悪いの話ではなく、まさに相手をねじ伏せられる力をもっているということです。
そのアメリカが、アメリカ第一主義を取るようになっています。移民政策もそうですし、とにかくアメリカに不利なことはしない、他国がどうなろうと自国が良ければいい、という考え方です。最近まではアメリカも小さな政府でしたが、ここにきて大きな政府に戻ったように感じます。
問題はアメリカが小さな政府から大きな政府に変わりつつある中で、この大きな変化が日本にどんなことをもたらすのか、です。
生き残るために求められる変化への対応力
日本は自由な経済競争で大敗北を喫しました。それはこの30年間の経済的な凋落ぶりを見れば明らかです。1990年にジャパンアズNo.1だったものが、今ではG7の中でも国民1人当たりGDPが最下位になっております。
地理的に見れば日本は中国が海洋進出する際に最も邪魔になる国ですし、アメリカから見れば日本は最も中国に近い盾のような役割をしています。今回のイランとの紛争でもそうですが、アジア最大の米軍基地が沖縄にあり、アメリカ本土よりよほど現地に近いです。
そういう意味でアメリカにとって、日本の利用価値はこの30年間で最も高まっているかもしれません。このメールマガジンでもお話したことですが、2026年の政府の補助金の出し方を見ても、情報技術系の産業に力を入れているのが見て取れますし、売上高100億円宣言をみても中小企業のすべてを守るということではなく、中堅企業を増加させ、将来、大企業になるような企業を育てていくという政府の思惑が見て取れます。
もちろん、すべての会社が情報技術系の産業に参入できるわけでもなく、中小企業がなくなるのかといったらそんなわけはないのですが、今までの変化とは根本的に質の異なる、とてつもない変化が起き始めています。
ガラパゴスケータイがほぼ一瞬にしてスマートフォンに取って代わられたことをご記憶の方も多いでしょう。うまい例えではないのですが、あれくらいの変化、ゲームチェンジが今、世界経済で起きているということです。
ですから今までの常識で物事を考えているとあっという間に置いてけぼりを食らってしまうことになります。残念ながら日本にはそうした状況を理解している人があまりいないように思います。さらに世界から離されていくことになりますが、それを感じている方々がその波にうまく乗れた時には今のトヨタのような世界規模の会社が日本にも誕生するかもしれません。
風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話になってしまいました。ただ、それでも確実に言えるのは、世界経済の変化は日本の中小企業に影響を与えるということです。日本の中小企業が風邪を引いても世界経済に与える影響はほぼ皆無ですが、世界経済が風邪を引けば日本の中小企業はひとたまりもありません。
実際に今回のイランとアメリカの紛争でもガソリン価格は160円台から200円近くまで一気に上昇しました。もちろんガソリンだけでなく原油はあらゆる産業で必需品ですから、円の力が弱くなった日本での影響は大きなものになってきております。
日本は資源国ではありません。これもまた、日本が世界の紛争や経済の影響を受けやすい理由のひとつになっています。そんな中で社長の皆様がこれからの令和の時代を生き残るのは並大抵のことではないでしょう。
世界の動向、日本の動向、そして社長の属する業界の動向、さらに自社の動向とあらゆる行く末を睨みながら、どこへ自社を泳がすことが社員の皆様、取引先の皆様を良い方向へ導けるのか、この正解をつかみ取るのは極めて困難ではあります。
ただこういった状況にあるということをまずは認識することが非常に重要だと感じます。今回のメルマガは大きな視点のお話になってしまいましたが、ここまでお読み頂けていたら幸甚でございます。ありがとうございました。