月次決算と月次経営会議を通じ、数字を経営判断の武器にする

まずは実態把握を

新規顧問先についてマエサワ税理士法人がまず丁寧かつ迅速に行うのが「実態把握」です。損益計算書、貸借対照表の精査を行います。

特に貸借対照表については入念な実態把握に時間をかけます。滞留在庫や滞留債権等、償却未済固定資産等の現況など、不良性のある資産の有無や換金可能性を検討することは、人間ドックで全身を検査することにしばしばたとえられます。

貸借対照表は筋肉質でなければなりません。把握した実態と税法をふまえ、貸借対照表の増強手順の案を顧問先に提示します。

スタンダードな当法人の関与の流れは下記の通りとなります。

1.月次決算の報告

当法人は、顧問先に対する月次訪問を業務の基本とします。

経理担当者と当法人担当者が中心となり、月次決算の数字の確定を行います。当法人の担当者は、多忙な経営者が「知るべき情報はなにか」を考え、情報の優先順位と効果的な伝え方を検討した上で、経営者への報告が行われます。

2.月次経営会議

確定した数字に基づき、経営者に数字の報告を行ないます。
過年度との比較、予算進捗の確認、異常値についてのアラートが会議の中心となります。経営者はそれぞれに対し、ひとつずつ、問題の対処を検討します。もちろん当法人も対処の方法やヒントの提示を行っていきます。

また、各種税法の改正やマクロ的視点から事業を取り巻く最新のニュースも可能な限り伝えるように努めております。金融機関に対する対応も、テーマとなる場合が多くあります。

会議には、複数の事業所長が参加することもあります。月次会議が定例化してくると、「責任者にここは知っていて欲しい」と経営者が感じる点が少なからず生じるものです。事前に経営者と打合せを行い、各事業所長のレベルに合わせ、資料の提示と改善の提案を行ないます。

不良資産が数千万円のケースも

東京都に本店を置くC社が新たに顧問先となったケースでは、実際在高を明らかに上回る現金勘定残、多額の仮払金残、回収不能な貸付金残が存在していました。厳格な会計処理が行われないまま数年を経ると、不明勘定が発生してしまいます。不幸にも数千万円の不良資産が計上されている場合もあります。

打つ手はある

C社ではその不良資産について、回収可能性の高いもの、実質的に回収不能となっているもの、代表者がその責任で法人に返済すべきもの、貸付先に対し訴訟を行い、法的な回収を進めるもの、とその峻別を行い、それぞれの処理を検討しました。

訴訟についてはパートナーである弁護士を紹介し、速やかに手続きを進めました。同時に進めた損益計算書の精査により、代表者の報酬額の例示と法人への毎月返済額の例示も行いました。回収不能の債権について発生の過程と損金算入の可能性を探りました。

しくみから変えていく

同時並行で、C社の経理システムの刷新を進めました。膨大な取引を効率よく集計する方法の提案、人的資源の効果的投入の提案等です。会計作業の増加が避けられない状況であったため、複数の社員には新たな負担が発生することとなりましたが、彼らには幾度かにわたり勉強会を開催し、それらの作業がC社の実態把握のためにいかに不可避であるか、会計の明確化が法人と従業員に及ぼす効果について納得いくまでの説明を行ないました。

C社は月次決算体制を約1年の関与の中で確立していきました。

数字が見えるようになった

C社の代表者は、営業において抜群のセンスを有していました。しかし会計面についてはお世辞にもその事業のレベルに追いついているとは言えない状況でした。

いま、二年の関与を通じ、彼は「自社の数字が見えるようになった」と繰り返します。「収益性の高い部門への注力と自己資本比率目標50%」が社長の口癖です。